「完全燃焼できました」HKT森保まどか「人生の第2楽章」に終止符

 HKT48の1期生・森保まどか(23)が29日、北九州市のソレイユホールで開催された卒業コンサート「みんな元気にしとった?」に出演、「たくさんの巡り合いに感謝したい」と約10年のアイドル人生を「完奏」した。笑顔と汗、涙に彩られた人生の「第2楽章」を駆け抜け、まっさらな「第3楽章」を奏で始める。

 コロナ対策を万全にした会場で、約7年以上続いたFM福岡のレギュラー番組「まどかの窓から」の特別版という、粋な演出で始まった「卒業式」。1曲目からピアノソロアルバム収録曲「Lotus」で美しいアルペジオを響かせた森保は、そのままステージ中央のピアノで「恋の指先」を伴奏。次々に登場するメンバーとともに、自身もマイクに向かい歌声を届けた。

 ピアノの椅子を離れると、白いドレスから一瞬でチェンジし、ピンクの花があしらわれた愛らしい衣装に。「Everyday、カチューシャ」「キスは待つしかないのでしょうか?」など4曲を、スタッカートのように軽やかにステップを踏みながら歌い踊った。

 衣装やセットリスト、そして演出の一部にまで関わったという最後のステージは、アッチェレランドのごとく加速していく。中盤には、6月19日に卒業を予定している宮脇咲良と「友達でいられるなら」をデュエット。九州7県を巡ったコンサートツアーを思い出させる「夜風の仕業」もソロでしっとりと歌った。

 新曲「君とどこかへ行きたい」24人バージョンの後は、再びピアノの前に座り、ソロアルバムから「幻想即興曲」を演奏。ダンサブルな「だらしない愛し方」のイントロも演奏するなど、自身の代名詞となったピアノの腕前を、存分に披露した。

 加入当初から「なつまど」として並び立ってきた松岡菜摘とは「てもでもの涙」をデュエット。歌声自慢の坂本愛玲菜や秋吉優花たちと見事なハーモニーを響かせると、24曲目の「竹内先輩」から26曲目「HA!」までの3曲は、HKTの現在と未来を見せつけるように、後輩たちに囲まれながら歌い踊った。

 メドレーの最後には、1期生がデビュー当初に着ていた赤とオレンジのチェックの制服で登場。

 ♬「きっと廊下の先に

 夢が待ってると思う

 だから一緒に行こうよ」

 そっと小さな声で

 分け合ったその勇気♬

 森保自身も懐かしい衣装に着替え「手をつなぎながら」を笑顔で歌った。

 2018年に負傷した膝には、この日もテーピングが巻かれていた。再発を防ぐための処置とはいえ、痛みがないわけではない。卒業発表後に痛むこともあったというが、本人は最後の瞬間まで、やり抜くことを選んだという。31曲目、ライブ定番の「メロンジュース」で元気に飛び跳ねる姿には「集大成を見せる」という、強い意気込みが表れていた。

 静かなピアノの音色で幕を開けたアンコール。10年間の軌跡を振り返る映像の後、自身の卒業ソング「この道」を、かみしめるように歌唱した。すみれ色のスカートと、音符があしらわれた衣装に身を包み、ファンへの感謝を伝える。

 「遠回りして」

 声を詰まらせ、唯一歌えなかったフレーズが、平たんではない彼女の10年を物語っているようだった。

 「ロリでもないし身長も高いし、アイドル適性なんてないと自分で思うけど、見つけて好きになってくれてありがとう。今日は完全燃焼できました」

 言葉を選びながら、出会ったすべての人々に思いを伝える。スピーチ後、「桜、みんなで食べた」のメロディーに乗って登場したメンバーは全員号泣だった。

 「まどかー!」

 巣立ち行く仲間の名前を叫んだ村重杏奈を筆頭に、涙でほおをぬらしながら「最高かよ」を歌い踊った。

 最後の1曲を残したステージで、松岡菜摘と肩を並べた。

 「10年間、たくさんたくさんありがとう」

 2人セットで語られ、比べられることを苦しく思ったこともある盟友の万感の思いに触れ、その髪を優しくなでた。

 37曲中、34曲に出演した最後の舞台。アイドル人生の最後には「あなたがいてくれたから」を選んだ。ファンに支えられ続け、その存在に感謝し続けた、森保らしい選曲だった。

 ♬あなたがいてくれたから

 あきらめずやってこられた♬

 巡り合ったすべての人に感謝しながら、閉じていく幕の向こうで手を振った。 (古川泰裕)

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