「心身一如」前見つめる里見香奈 女流タイトル最多44期 

 対局を終え、険しかった表情を少しだけ緩めた。2日、福岡県飯塚市で指された第32期女流王位戦5番勝負の第3局を制し、通算7期目の防衛を果たした。女流タイトルの通算獲得数も44期とし、歴代最多記録を樹立した。

 「光栄なこと。これからも目の前の対局に全力を尽くしたい」

 2008年に16歳で初タイトルを獲得。奨励会への挑戦や体調不良による休場などを経て、19年には史上初の女流六冠を達成した。現在も四冠を保持する第一人者だ。

 例年、各地方で戦う女流王位戦。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響から東京と大阪でのみの開催だった。今年は2年ぶりに各地を巡回し、飯塚対局も19年以来だった。地域色のある食事なども楽しみで、各対局関係者への感謝を口にした。「コロナ禍での開催には大変な苦労があったと思う。難しい状況の中で環境を整えていただいた」

 地元島根の声援も励みになっているという。「(故郷という)帰る場所があるのは私の強みだと思う」

 今年は既に、1~2月の女流名人戦5番勝負も3連勝で防衛し、安定感は健在。全3局で相振り飛車の戦型となった本シリーズは、挑戦者有利と見られる場面も手堅く指し回し、勝利を呼び込んだ。

 「終盤で難しくなる場面もあった。時間を残していたので助けられた部分もある。防衛できてほっとしている」

 対局後、「心身一如」と揮毫(きごう)した色紙を手に、さらに前を見据えた。島根県出雲市出身の29歳。(諏訪部真、写真は宮下雅太郎)

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