大分県教委は「可」というが…「不織布2重マスク」は間違った着用法?

 大分県内の県立高校が新型コロナウイルス感染対策として、マスクの2枚重ねを生徒に求めている。これに対し、西日本新聞「あなたの特命取材班」に、高校に娘を通わせる女性(50)から「マスクは今は安くなったとはいえ金銭的負担もある。科学的根拠はあるのでしょうか」と困惑の声が寄せられた。二重マスクを巡っては効果に関する議論が十分とは言えない上に、県と県教育委員会のちぐはぐな対応が混乱につながっているようだ。

 二重マスクはもともと、県内で変異株による急速な感染拡大が進んでいた5月10日、県が県民に推奨した。「屋内など密になる場では不織布マスクの上に、布やウレタン製マスクを重ねる」というものだった。

 これを受け県教委は、二重マスク着用を含めた感染対策の徹底を県立学校61校に通知した。ただ、経済的負担を考慮し、県の呼び掛けとは異なり「不織布2枚でもよい」との独自の判断を加えたという。

 県教委はその後、二重マスク着用はグループワークといった密集する場などと例示して、改めて通知。「不織布2枚でもよい」の部分は文書から削除したが、その判断は変えていないという。

 二重マスクはどれくらい効果があるのか。

 県感染症対策課は根拠として、米疾病対策センター(CDC)が2月に発表した結果を挙げる。飛沫(ひまつ)を出す側と浴びる側双方が不織布マスクの上に布製マスクを重ねると、浴びる飛沫を約96%防ぐ実験結果が得られたという。

 一方でCDCは間違ったマスクの着け方の一つとして、県教委が容認する「不織布2枚」を挙げている。重要なのはマスクが密着し、いかに飛沫の浸入を防ぐかであり、「同じ素材を重ねても密着度は向上しない」と警鐘を鳴らす。

 国内ではスーパーコンピューター「富岳」を使った理化学研究所のチームが3月、不織布マスクは鼻に当たる部分のワイヤを曲げて顔との隙間ができないように着ければ、二重マスクと同等の飛散防止効果が見込めるとの結果を発表した。

 ウイルス感染症とワクチンに詳しい大分大医学部微生物学講座の西園晃教授(62)は、二重マスクの効果を巡る科学的根拠の議論は十分ではないと指摘する。「二重でもいいかげんな装着では意味がない。不織布1枚をしっかりフィットさせるのが重要」と話す。不織布マスクの2枚重ねには「同じ素材2枚はずれやすい」と疑問視する。

 国の見解はどうだろうか。厚生労働省の担当者は「マスクを重ねればフィルターの機能は上がるかもしれないが、息苦しさが増す。特に推奨もしていないし、駄目だとも言っていない」。国の明確な指針がないことを踏まえ、福岡県や同県教委も推奨はしていないという。 (鬼塚淳乃介、斉藤幸奈)

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