人生も変えちゃう“魔法のしょうゆ” 廃業の危機一転、全国にファン

シン・フクオカ人 #37

 〈自分の長所は、意外と他人の方が気付いてくれるものだ〉

 しょうゆ一つが、人生を変えてしまう。福岡市で老舗しょうゆ屋を営む住田友香子(51)と良幸(48)の夫婦は、そう信じている。現に、自分たちが廃業寸前のしょうゆ屋を継ぐとは思ってもみなかった。

    ◆    ◆

 約15年前、友香子の父から「タケシゲしょう」を受け継いだ。創業260年余の老舗といっても、プレハブ小屋の事務所だけ。醸造は別に委託し、飲食店や水産加工業者など、昔なじみの客だけに卸していた。

 前身は親戚がやっていた「五福醤油」。1992年に店を閉じたが、お得意さんの懇願を受け、友香子の父が「当面の間だけ」と屋号を変えて引き継いだ。

 いずれは廃業する流れだった。それを変えたのは、冷ややっこにかけたタケシゲのしょうゆだった。良幸は、人生で初めて「しょうゆがうまい」と驚いた。一滴残らず飲み干すほどに。「誰もやらないなら僕が継ぐ」。夫婦はそれぞれの会社を辞めて店に入った。

    ◆    ◆

 一般市場に打って出たが、現実は甘くなかった。スーパーの棚に置いてもらうことすら難しく、赤字は膨らむ一方だった。打開策もなく頭を抱える中、若い女性が店を訪ねてきた。

 「魔法のタレはありますか?」...

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