放課後クラブ、住民反対受け3ヵ月で移転 大声や事故を不安視

 長崎県佐世保市の住宅街で今年3月に民家に開所した放課後児童クラブが、地域の理解を得られず3カ月余りで移転を余儀なくされた。新しい移転先は同じ校区の小学校のプレハブ校舎。だが、ここも来年度に校舎の改修工事が始まるため10カ月しか使えない。児童を預ける保護者は「クラブがあるから私たちは働ける。子どもたちの居場所について移転を求められること自体がショック」と肩を落とす。

 放課後児童クラブは市が民間団体に運営を委託。このクラブは以前の建物が老朽化し、新型コロナウイルスの感染対策も難しかったため、小学校から約200メートルの現在地に引っ越した。建物も広くきれいになった。子どもたちにも「過ごしやすくなった」と好評で、利用者も増えた。

 だが移転前から、地元自治会では反対の声が上がっていた。自治会側は西日本新聞の取材に応じていないが、住民に回覧された資料には「騒音・自家用車の送迎や駐車による事故などの問題に加え、隣接地の評価が下がるなど経済的損失が極めて大きい」ことを反対の理由に挙げている。

 クラブは子どもたちに大きな声や騒音を出さないよう呼びかけ、保護者にも送迎時など協力を求めて運営してきたが、「移転前にクラブ側が地元に対して十分に説明していなかった」(市子ども未来部)ことへの反発もあり、地域の理解を得られなかった。

 同クラブは3年前にも、現在の場所に開所を試みていた。市の公募に手を挙げたクラブ代表者が民家を購入。地域向けに説明会を開いたが多数の反対を受け、その場所にクラブを開設しないことを「約束」した経緯がある。

 「放課後児童クラブは子どもの居場所として必要。移転してしまえば、地域の人にも理解してもらえると思ったんだが…」と代表者。来年度以降に向けて新しい移転先を探さなければならないが、市からの家賃補助(年間17万円)で賄え、子どもたちに安全な物件を探すのは「至難の業」(代表者)だ。

 佐世保市によると、市内の放課後児童クラブは73施設。2020年度は2757人の児童が利用登録している。

 (平山成美)

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