乾電池でわが家は燃えた 被災男性「今も信じられない」

 昨年8月に福岡市で2階建ての住宅兼事務所が全焼した火災が、室内にあった乾電池が他の電池と接触したことにより発火して起きたとみられることが、市消防局などへの取材で分かった。同様の火災は、多くはないものの全国で発生しており、専門機関は「電池同士が接触しないように気を付けて保管してほしい」と呼び掛けている。

 福岡県警早良署などによると、火災は昨年8月26日午後5時40分ごろに発生し、同市城南区南片江5丁目のマジシャン菊地一さん(53)方を全焼した。当時、菊地さんの息子ら子ども3人が家にいたが、「ドン」という大きな音で火災に気付き、避難して無事だった。

 菊地さんが市消防局から開示された火災調査報告書には、発火源は乾電池と記載。出火に至った状況については、角型電池のプラス端子とマイナス端子にボタン電池などが接触してショートし、周囲に火が付いたと推定されている。

 菊地さんは、出火元の1階を事務所として使用し、マジックに使う道具や電池などを保管していた。「電池が原因で家が燃えてしまうなんて、今でも信じられない」と驚く。現在、同じ場所に家を再建中だ。

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)によると、電池同士が接触すると、プラスとマイナスの端子がつながり電流が流れることがある。電池の種類や接触の状況によっては、発火や爆発を招くという。同機構は「違う種類の電池同士が接触すると特に危険。使用済みの電池でも発火することがあり、端子にテープを貼るなど保管には注意が必要だ」と強調する。

 総務省消防庁によると、乾電池が出火原因となった建物火災は2010年からの10年間に毎年1~10件、計44件起きた。18年11月には大阪府吹田市のホームセンターが全焼。廃棄用の電池同士が接触して発火したことが原因とみられている。

 (長松院ゆりか、古川大二)

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