ペシャワール会・藤田さんにナイチンゲール記章 「鬼婦長」故中村医師の信頼厚く

 赤十字国際委員会(スイス)は、顕著な功績があった世界各国の看護師などを表彰する「フローレンス・ナイチンゲール記章」を、福岡市の非政府組織(NGO)ペシャワール会の藤田千代子さん(62)らに授与すると決めた。藤田さんは、アフガニスタンとパキスタンで人道支援に尽くした故中村哲医師と長年にわたり現地で活動し、女性スタッフの育成に力を注いだことなどが評価された。

 記章の制度は「近代看護教育の生みの親」とされるフローレンス・ナイチンゲールの生誕100周年を記念して1920年に始まった。表彰は2年に1度で、今回の受章は25人。うち日本人は2人だった。

 藤田さんは90年、中村医師が働くパキスタン北西部ペシャワルの病院に赴任。共に隣国アフガンで山間部の無医村に診療所を開き、用水路の建設に関わるなど幅広く活動してきた。

 現地では、女性が家族以外の男性に顔を見せたり、話をしたりする習慣がない。男性の医師は女性患者の素肌に聴診器を当てるだけでも家族の説得が必要で、女性の入院時には布団を持参した父親や兄弟が「見張り」のために病院に泊まり込んでいたという。藤田さんは現地語を習得して日常的に女性患者への対応を担ったほか、新たに診療所を開くたびに近くに住む女性の村人を看護助手として育成。中村医師からも「鬼婦長」と信頼された。

 2009年、治安の悪化を受けて帰国。現在は国内から現地の医療活動や用水路建設を支援している。受章には「現地では普通のことをしてきただけ。今は現地にいられない後ろめたさもあるけれど、会の皆さんが喜んでくれていてうれしい」という。同会の村上優会長は「藤田さんがいるからこそ、中村先生も安心して活動できたし、今も事業が続けられている」と話している。

(中原興平)

関連記事

福岡県の天気予報

PR

PR