「聞く側の覚悟が必要」災害報道を議論、新聞労連が島原で討論会 

 43人が犠牲になった1991年の長崎県雲仙・普賢岳大火砕流を教訓に、災害報道のあり方を議論する討論会「雲仙集会」(新聞労連など主催)が5、6日、同県島原市で開かれた。新型コロナ対策として無観客で行い、オンラインで中継した。当時は報道関係者のほか、警戒に当たった消防団員らが犠牲になり、報道批判が高まった。地元住民は「30年がたち、理解が進んだ面はある。一方通行ではなく多方面からお互いを見つめることが必要だ」と訴えた。

 長期取材をテーマにした6日のシンポジウムは約90人がネット視聴した。災害当時から現地で取材したジャーナリスト江川紹子さんは「時間の経過で心境が変わり、話してくれる方もいる。単発取材だけでなく、長い時間を共にすることも大切だ」と主張した。

 災害当時を知らない記者が増える中、記憶の継承も話題になった。阪神大震災を経験した神戸新聞論説副委員長、長沼隆之さんは「当時の経験がなくても共感できる力を大切にしたい」。テレビ長崎の槌田禎子記者は「相手の痛みを共有する前提で、聞く側の覚悟が必要だ」と指摘した。

 大火砕流から30年の今春、取材拠点となった「定点」が整備された。雲仙岳災害記念館の杉本伸一館長は「当時を帳消しにはできないが、定点を起点に報道関係者や地元住民が語り合う場所になってほしい」と話した。 (梅沢平)

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