石木ダム緊迫感増す最前線 長崎県と住民にらみ合い11年、迫る工期

 長崎県川棚町の県営石木ダム建設へ向けた県道付け替え工事を巡り、11年にわたる県と反対派住民のにらみ合いが危うい局面を迎えている。工期期限が今月末に迫り、県は協議を申し入れたが、住民側は7日、「工事の中断が先だ」と拒否する姿勢を文書で表明した。県は今年に入って、住民の阻止行動で中断されていた区間(約140メートル)の工事を進めるなど姿勢を強めており、現場の緊迫感は増している。

 県はこれまでに住民の反対で5度の工期延長を余儀なくされた。住民側の協議拒否に対し、県は「早急に対応を検討する」(河川課)としているが、県幹部は「業者をいつまでも張り付かせるわけにはいかない」と、6回目の延長には慎重だ。強硬手段には否定的だが、1982年には座り込む住民を強制排除したこともある。

 ダム完成後に水没する県道の付け替えは2010年3月に着工。直後に住民の阻止行動が始まり、中断と再開を繰り返してきた。今年初めの再開後は、住民が座り込む区間の一部を土のうや柵で囲い込み、住民のいない夜間や早朝に土砂の搬入を続けている。盛り土は住民側が陣取るテントの数メートル先まで迫り、住民や支援者は移動を余儀なくされた。

 一方、ダム本体着工に向け、地質調査のための作業道路整備も進む。県は5月25日、石木川に土管を並べて埋め立て、工事を本格化。住民らが現場で座り込むと、別の場所で作業を始める。住民らは作業道路現場にもテントを設け、2カ所に計約30人が交代で詰めるようになった。

 住民側は県に対し、工事の中断を協議の前提条件と伝えているが、7日も現場では重機やトラックが行き交った。「県は最初から話し合うつもりなかっちゃろ」。座り込みを続ける住民の岩下和雄さん(74)は語気を強めた。 (岩佐遼介、泉修平)

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