「現場はてんやわんや」…10冊を超えた“座り込みノート”

石木ダム・リポート ―6月8日―

 どんな工事が進んだ、誰が座り込みに来た、おやつに何を食べたか…。石木ダム(長崎県川棚町)の建設工事現場で座り込む住民が現場の日常を記録するノートがある。8日、ノートを見せてもらった。

 1ページ目には、女性住民と支援者12人の写真が貼られていた。「写真にはダミーの手作り人形が交じっている。人手不足を補うために一緒に立ったんよ」。ノートの所有者、岩下すみ子さん(72)が話す。

 県道付け替えは2010年3月に着工。女性陣が現場ゲート前に立ったのが、現在まで続く座り込みの原点だった。ノートは10冊以上となったが、1ページ目には変わらず同じ写真を貼るという。

 「現場はてんやわんや」「キューリの差し入れ」。2ページ目以降は工事の進展や、座り込みを見に訪れた県職員の人数を日別に記す。8日は2人だった。

 「こんなに反対運動が長引くとは思わんやった。私の時間を返してって感じよ」。岩下さんはノートをめくる。「かけてきた時間の分負けるわけにはいかない、と思うとさ」

 この日は午後、県道付け替え工事現場で約20人、地質調査に向けた作業道路現場で3人が座り込んだ。(岩佐遼介)

 石木ダム 長崎県と同県佐世保市が、治水と市の水源確保を目的に、同県川棚町の石木川流域に計画。1975年度に国が事業採択した。当初完成予定は79年度。移転対象67戸のうち川原(こうばる)地区の13戸は立ち退きを拒否し、計画撤回を求めている。2019年5月に県収用委員会が反対地権者に土地の明け渡しを命じた裁決を出し、同年9月に土地の所有権は国に移転。同年11月の明け渡し期限後、県の行政代執行による強制収用の手続きが可能になった。

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