執拗なパワハラ、同調圧力…あらわになった局長会の闇 元郵便局長有罪

 福岡県内で地区連絡会の幹部職を務めていた西村光晶被告ら7人の局長は3月、執拗(しつよう)なパワハラをしたとして、日本郵便の懲戒処分を受けている。厳しい上下関係や異論を許さない同調圧力-。事件により、旧特定局と呼ばれる小規模郵便局の局長を取り巻くいびつな体質があらわになった。

 同社関係者などによると、西村被告は2019年1月、息子に関する内部通報をしたのは同県直方市の局長数人だと疑い、1人ずつ自局に呼び出して通報したことを認めるよう迫った。

 疑われた局長の1人が同年3月、地区局長会の会議で「通報者探しをされた」と訴えると、被告に近い幹部局長らは「(西村被告を)中傷した」と立腹。臨時総会で、2人の局長を除名処分にした。

 旧特定局長らでつくる局長会は社内組織ではないものの、「除名されれば、会社でも孤立してしまう」(九州の局長)。臨時総会の数日前には、疑われた1人に対して、「今度の臨時総会は公開処刑だ」と不審電話があった。

 幹部局長らは、除名処分にした2人と交流しないよう求めたり、保険営業の会議で「自分で進退を考えろ」と役職を辞任するよう迫ったりするパワハラを繰り返したという。うつ状態と診断されて休職に追い込まれる局長も出た。

 関東の局長は「局長会には、『同一認識・同一行動』という合言葉があり、幹部には逆らえない。方向性が誤っても歯止めがかからない」と漏らした。

   ◇    ◇

 西村被告は公判で、通報者を探した理由を問われ「内部通報が続けば、局長同士の信頼や絆が壊れてしまうと考えた」と述べた。

 西日本新聞は、事件で脅迫が行われた際の音声データを入手。被告はこの中で、内部通報を問題視する理由について、こう語っていた。「局長会っていうのは選挙もやる。選挙違反みたいなこともやる。(内部通報で)あげられたら、危なっかしくてできるもんか」

 局長会は選挙活動によって強い政治力を得ており、地区幹部は事実上、エリア内の旧特定局に関する人事権を持つとされる。

 公判では、同社の人事担当社員が捜査側の事情聴取に対し「会社が方針決定するに当たり、局長会の影響力はとても大きいと感じることがある」「昔から、会社は表、局長会は裏と呼ばれてきた」などと語った供述調書が証拠採用された。

 長崎市の元局長が顧客らから約12億円を詐取したとされる問題で、同社は旧特定局長には原則として転勤がない人事制度が発覚の遅れにつながったと認めた。相次ぐ局長の不祥事を受け、再発防止策を打ち出したが、旧特定局長に関する仕組みにはほとんど手を付けていない。

 同社は取材に対し、「判決を真摯(しんし)に受け止め、内部通報制度の抜本的改善を図るなど再発防止策に取り組む」とコメントした。 (宮崎拓朗)

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