#家族が感染…「お金」「もしも」のQ&A

妻がコロナになりまして 番外編

 新型コロナウイルスの収束が見通せない中、ニュースアプリ「西日本新聞meミー」の編成を担う私(記者、40歳)の妻(40)も4月末に陽性となりました。妻は約1週間の宿泊療養(ホテル療養)、私と子ども2人は濃厚接触者として福岡市の自宅で2週間余りの外出自粛生活(健康観察期間)を体験。meで報告したところ「PCR検査やホテル療養費ってどうだったの」「子どもも陽性だったらどうすればいの」といった疑問の声が寄せられました。「お金の話」「もしもの話」を、行政への取材に基づき、番外編として報告します。

PCR検査 ──────

 Q1 PCR検査は高額と聞いたけど、もし濃厚接触者になったら家族全員分の検査費を支払うの?

 変異株の広がりとともに家庭内感染が増えています。陽性者の同居家族は基本的に濃厚接触者と保健所に認定されます。PCR検査を指示されますが、これは「不安でしょうから調べましょう」という目的ではなく、いち早く陽性者を特定して感染拡大を食い止めるための検査。感染症法に基づく「行政検査」として公費負担で行われます。濃厚接触者に認定されたわが家の3人も、金銭の負担はありませんでした。

 

 Q2 発熱などの症状があって自ら受診した病院で受ける検査は?

 37・8度の熱が出た妻は、福岡市の感染症相談ダイヤル(受診・相談センター)に紹介された医療機関で、医師から必要と判断され、その場で検査を受けました。この場合も感染拡大を防ぐ狙いから公費が充てられ、患者の自己負担はありません。妻は窓口で検査費以外の初診料など一般的な診察代を支払いました。

 

 Q3 濃厚接触者に認定されないものの、ひょっとして、と心配になり検査したい場合は?

 行政検査としては受けられません。不安であれば、民間の医療機関や検査機関で自主検査を受ける方法があります。厚生労働省が紹介している福岡県内の主な実施機関一覧を見ると、1回1万~3万円ほどかかるようです。

 自治体によっては助成があり、福岡市は妊婦を対象に「指定機関で1回は無料」。また、65歳以上の高齢者には、PCR検査ではないものの、抗原定量検査を4千円の自己負担で受けることができます(検査の違いはこちら)。

療養費 ──────

 Q4 1週間もホテル療養になったら、滞在費はけっこうかかるんじゃない?

 陽性になると原則、入院かホテル療養となります。これも治療をしつつ「感染を広げないための措置」であり、公費負担となります。療養中は血中酸素濃度の測定や、1日3回のお弁当が提供されましたが、わが家の支払いはありませんでした。入院治療も同じく原則自己負担はありません。

 

 Q5 ホテルに行くときは迎えの車があったそうだけど、帰りも送ってくれるの?

 陽性者がホテルに入るときは「人との接触を避けるため」に、自宅まで保健所手配の車が迎えに来ました。一方で(1)発症から10日間経過(2)症状回復後72時間たっているとして帰宅が許された際は、感染を広げる恐れはなくなっているため「現地解散」。帰りの交通費は自己負担となります。福岡県の療養ホテルは、福岡市のほか、北九州市や久留米市にもあり、どこで療養するかは、そのときの空き室の状況次第です(参考:福岡県の宿泊療養施設利用のしおり)。

妻が入った療養ホテルの室内。シーツの交換はなく、タオルや着替えを持参した

 

 Q6 わが家には陽性者を「家庭内隔離」する個室がありません。濃厚接触家族が民間ホテルなどに移ることはできますか?

 妻の感染判明後、ホテルでの療養が決まるまでの間、私も「ホテル避難」が頭をよぎりました。ただ、濃厚接触者はPCR検査で陰性であっても、検査前後に感染しているかもしれないという状態。場合によっては、ホテルの宿泊者やスタッフに拡大させる可能性があります。

 福岡市の担当者は「濃厚接触者は発症の可能性があるため、2週間の健康観察期間を設けて原則、不要不急の外出自粛をお願いしているわけなので…」と、ホテル避難については想定していない様子。市内のあるホテルに聞くと「受け入れを拒否することはできませんが、滞在中に発症した場合は、ホテルの消毒費用を請求させていただくこともあります」と話してくれました。

 

 Q7 自宅に個室がない場合は、どうしたらいいの?

 福岡市新型コロナウイルス感染症対策担当では、(1)換気をする(2)屋内でもマスクをする(3)食器を別にする(4)寝るときはできる範囲で布団を離す―など、できる範囲での対策を紹介しています(家庭内で注意する8個のポイント)。

子どものケア ──────

 Q8 家族内感染で、もし小さな子どもだけが陰性だったら、どうすれば?

 PCR検査の結果が出るまで、私の頭を離れなかったのも、8歳と5歳の子ども2人をどうするか。

 福岡市のホームページ(HP)では「保護者が感染し、他に養育する人がいない場合は、感染者である保護者が治療に専念できるようにするため、こどもをえがお館(こども総合相談センター=児童相談所)などで一時的にお預かりできます」とあります。

 実際には、子どもの年齢や保護者の症状によって対応はさまざま。保護者が無症状や軽症で自宅療養する場合は「急に知らない施設に預けるのもかえって心配」として、自宅で一緒に過ごす家庭が多いそうです。入院が必要だったり持病を持っていたり、保護者の症状によっては、親族が預かる例も少なくないとか。福岡市では、児相が子どもを預かった例はまだないということです。

 

 Q9 療養先のホテルに子どもと一緒に入ることはできる?

 親子ともに陽性の場合は、2人部屋などに一緒に入ることは可能ですが、子どもが陰性の場合は、陽性の保護者と一緒にホテルに入ることは認められていません。こうした事情もあり、福岡市や福岡県は自宅療養者に対し、1週間分の食料品や日用品を送り届ける制度を設けています。

 実際に家族が陽性になったり、濃厚接触者になったりすると、冷静に判断することは難しくなります。子どもが濃厚接触者となった場合は「PCR検査前後に感染しているかもしれない」というグレーの状態。親族の持病や年齢によって預け先にも迷います。とはいえ、どんな選択をしても感染リスクをゼロにすることはできません。

 「もしも」の日が来る前に、落ち着いた状況で、家族や親族で話し合っておくことを、自戒を込めて、お勧めします。

(田篭良太が担当しました)

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