「怒りのはけ口に」「半分辞める」接種予約業務の「SOS」に共感相次ぐ

 「高齢者から罵声を浴びせられている」。西日本新聞「あなたの特命取材班」に、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約を受け付けるコールセンターのオペレーターから「SOS」が寄せられた。事例を本紙ウェブサイトで紹介したところ、投稿内容に「共感する」という意見表明が5千件を超え、コメントの投稿も600件を上回った。オペレーターを擁護する意見が大勢を占める一方で、説明や仕組みの不備が混乱を招いているとの指摘も。主な投稿内容を紹介する。

 「日本はなぜこんなに接種が遅いのか。電話がつながらないのを何とかしろ」

 ワクチン接種予約のオペレーター歴3カ月目という投稿名「コールセンター」さんは、こう怒鳴られたことがあると投稿した。「いつの間にか怒りのはけ口にされている。心が悲鳴を上げ、あと数週間で職場を去る」とつづった。

 投稿名「ラブ明太子」さんも「この役立たず。(接種が遅れて体に)何かあったら賠償請求するからな」などと、連日のようにののしられていると明かす。

 同僚の大半は派遣社員やパートの非正規社員。オペレーターの入れ替わりが激しいのには訳がある。「泣いて辞める人が後を絶たず、1カ月後には半分に減る。市職員はフォローをしてくれない」と訴えた。

 心身に深刻な不調が出ているケースも。あるオペレーターは「毎日の罵声で、仕事中にトイレで吐いて、心も折れそうだ」と吐露。それでも「『やっとつながった』と涙されると、本当に申し訳ない気持ちになる」。毎日さまざまな感情が入り乱れるという。

 一方で、先行してワクチン接種が始まった高齢者側にも言い分がある。

 ある高齢者は「初日の開始時から何度電話しても、混雑を知らせる音声案内で切れる。それなのに、自分たち(電話窓口)に非がないという発想が不思議だ」と胸中をぶちまけた。

 インターネットを十分に使えない高齢者が電話に向かう。なかなかつながらずに怒りが募る。ようやく出たオペレーターに不満をぶちまける。それは長時間の通話になり、後に電話をかけた人がまた、つながらなくなる-。

 投稿名「年寄り」さんは「クレームがオペレーターの時間を奪っている」と“負の連鎖”を感じているという。あるオペレーターは「せめて、届いた書類を確認してから電話してほしい」と、掛ける側の準備不足も要因に挙げる。

 批判は国や自治体にも及んでいる。

 親が80回以上電話したという投稿者は「親が切れるのも理解できる。悪いのは、予約を早い者勝ちと決めた官僚ではないか」と指摘。別の人は「カスタマー(消費者)ハラスメントに該当する通話は対応せずに切ると、自治体の長が明言するべきではないか」。

 投稿名「ゆきんこ」さんの呼び掛けに目がとまった。「こんな時にも、他人を思える人でありたい」(水山真人)

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