国会会期末 延長しコロナに対応せよ

 このまま国会を閉じるのは、国民の代表としての役割放棄ではないか。全国で新型コロナウイルスとの闘いが続いている。それに背を向けることは許されまい。

 通常国会の会期末が16日に迫った。野党は3カ月の会期延長を求めているが、与党は否定的だ。与党が重要と位置付ける法案はほぼ成立のめどが付いた。さらに25日には、次の衆院選の行方を占うともみられる東京都議選が告示される。一刻も早く「選挙モード」に切り替えたいのが、永田町の本音だというのは想像に難くない。

 ただ、平時ならともかく、緊急事態宣言が10都道府県に出ている渦中だ。新規感染者は一時より減ったとはいえ、下げ止まりの指摘もある。7月から9月にかけては、感染リスクを高めるであろう東京五輪・パラリンピックも予定されている。

 不測の事態もあり得るし、何より現に暮らしや事業に困っている人々がいる。素早く適切な対策を出すためにも、国会の機能をフルに発揮できるようにしておかねばならないはずだ。

 昨年の通常国会もコロナ対応の会期延長が求められながら、当初予定通りの6月17日に閉会した。最初の緊急事態宣言は5月25日に解除されていたが、7月には早くも第2波が起きた。

 そうした状況だったにもかかわらず、首相交代に伴う9月の臨時国会を除くと、10月26日召集の臨時国会まで事実上の空白状態が続いた。

 その間、政府は観光支援事業「Go To トラベル」を推し進め、10月1日には東京も対象に加えた。その後、第3波が広がり、同事業の停止に追い込まれたことは記憶に新しい。

 2020年度の第3次補正予算は臨時国会閉会後の12月15日に閣議決定されながら、今通常国会への提案まで1カ月以上を要した。この間に2度目の緊急事態宣言も出ており、臨機応変に対応できたとは言えない。

 政府の独断には国会のチェックが不可欠だ。行政の目が届かない人々への支援を促すためにも、幅広い声を集める場が確保されていることが望ましい。

 与党や政府の側に、国会を開いたままだと何かと批判の矢面に立たされ、都議選や衆院選にも影響するといった思惑があるのなら、国民の生活より党利党略を優先したというそしりは免れまい。

 野党側も会期延長を拒否された場合に内閣不信任案を提出するかどうかが曖昧で、腰が引けた感は否めない。不信任案が衆院解散を誘発し政治空白を生みかねないとの迷いかもしれないが、ここは迫力を込めて与党に会期延長を求めるべきである。

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