歳費法改正先送り…自民に不満募らす公明 「自浄努力足りない」

 自民党は、当選無効になった国会議員の歳費返還を可能にする法改正について、党内議論が集約されていないとして今国会は見送る方針を決めた。発端は、2019年参院選広島選挙区の河井案里氏の買収事件だけに、早期改正を強く主張していた公明からは「『政治とカネ』問題の自浄努力が足りない」と不満が出ている。 (森井徹)

 9日、自民が党本部で開いたプロジェクトチーム(PT)の会合後、柴山昌彦座長は「今国会中に仕上げるのはかなり困難だ」と述べ、通常国会への歳費法改正案提出を断念する考えを明らかにした。

 案里氏に歳費が支給され続けたことに対する有権者の厳しい目もあり、今年4月の参院広島選挙区再選挙では自民候補が大敗。連立を組む公明は次期衆院選への余波を懸念して5月、(1)刑事事件で起訴されれば勾留後の歳費の10分の4、期末手当の全額を支給停止(2)公選法違反で当選無効になれば歳費の10分の4、期末手当の全額を国庫に返納する-を骨格とする改正案を自民に提示。野党にも説明し、立憲民主党からは全額返納を柱とする対案が出されていた。

 自民PTでは、公明案、立民案を議論したものの結論は出ず、柴山氏は「(議員歳費を保障する)憲法との整合性をきちんと判断しなくてはいけない」。専門家からの意見聴取など、さらなる党内議論と与野党間での協議が必要との認識を強調した。

 そもそも、自民内には「慌てふためいてやって、良い結果になるか分からない」(二階俊博幹事長)など消極姿勢が目立っていた。案里氏陣営に渡った党資金1億5千万円の説明責任が果たされていない上、菅原一秀前経済産業相の議員辞職と公選法違反(寄付行為)罪での略式起訴などもあり、公明の山口那津男代表は「政治とカネ」に関して「次の選挙の前に一定の答えを示すことが大切だった。きわめて遺憾だ」。公明関係者は「本来なら自民が先頭に立たねばならない話なのに」と苦言を呈した。

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