福岡市の接種予約ペース鈍化 危機感薄らぐ?6月分に「空き」も

 高齢者向けの新型コロナウイルスワクチン接種を巡り、対象者が約36万人と九州の市町村で最も多い福岡市で予約受け付けが始まってから1カ月がたった。新規感染者の大幅減少などもあり、予約ペースは当初の殺到状況から鈍化。6月分の予約枠に少なくない「空き」が生じている状況だ。市は予約の前倒し変更を呼び掛けるなど、政府が目標に掲げる7月末の接種完了へ躍起になっている。

 「8月に予約を入れている人は、7月中に接種が終わるよう予約を変更してほしい」。高島宗一郎市長は今月11日の臨時記者会見で、こう訴えた。

 市は5月12日に75歳以上の予約を開始。翌13日から集団接種を行い、19日には65~74歳の予約を始めた。24日からは、約800カ所の医療機関での個別接種も実施している。

 今月10日時点での高齢者の接種済み回数は約15万7千回。必要回数(約72万回)の約2割にとどまっているが、現在は1日当たり約1万2千回のペースで接種を進めている。一方、65歳以上で7月末までの接種を予約した数は49万1627回。1人が2回分を予約したとの仮定で、約7割が予約を終えた計算になる。

 予約受け付けが始まった当初は、100回線を用意した専用のコールセンターがつながりにくかったり、予約をしようと接種会場に足を運ぶ人がいたりして混乱もみられた。だが、最近はトラブルもなく、スムーズに予約ができる状況だ。

 予約ペースが鈍化した理由は何か。「積極的にワクチンを打ちたい希望者の予約がほぼ終わった」(高島市長)ことに加え、「第4波」が猛威を振るっていた4月下旬から5月中旬に比べ、新規感染者の数が10分の1程度にまで減ったことで「危機感が多少薄らいだ」(医療関係者)ことも影響しているとみられる。

 また、市によると、インターネットに不慣れで予約自体を諦めてしまった人や、かかりつけの医療機関で8月以降に接種を受ける予約をした人も少なくないという。このため、今月中の予約枠に計1万2千回分もの「空き」が生じている。

 7月末までは残り1カ月半程度。市は予約を増やそうと、新たな取り組みを打ち出した。今月1日には、市内の集団接種会場や各医院の予約状況を「見える化」したウェブサイトを開設。15日まで離島を除く市内147カ所の公民館に市職員を派遣して、ネット予約をサポートする。

 市は16~64歳についても、30日に接種券を発送。7月上旬から年齢層を分けて段階的に予約を受け付け、高齢者向けと同時並行で接種を進める方針だ。 (塩入雄一郎)

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