400本→90本?須崎公園再開発で揺れる大木 「思い出の木」署名活動

 福岡市・北天神エリアの須崎公園と市民会館の再開発を巡り、住民らでつくる「須崎公園の大木を守る会」が伐採予定の樹木の保存を求める署名活動を行っている。開園から70年近くの園内は、大木が枝葉を広げて立ち並び、住民の憩いの場になっている。住民らは「公園や施設が新しくなるのはいいが、住民たちの思い出の残る木を一本でも多く残してほしい」と訴えている。

 須崎公園は1951年に開園。2・96ヘクタールの敷地内には、サクラやクスノキ、イチョウなど約400本の樹木が立ち、野外音楽堂や噴水なども整備され、市民に親しまれてきた。樹木は大きいもので高さ20メートルにもなる。近年は樹木の生長で外から園内の様子が見えづらくなり、「樹木を切って見通しを良くした方がいい」(公園利用者)といった声も上がっている。

 隣接する市民会館の老朽化もあり、市は2016年、公園と一体的な再開発を目指す基本計画をまとめた。計画では、噴水や野外音楽堂がある場所に市民会館の後継となる拠点文化施設を設置し、現在の市民会館側に芝生広場やレストランを整備。文化施設は24年3月開業、公園は26年3月の供用開始を予定している。

 再開発に伴う樹木の伐採について、市に詳細な説明を求めていた住民らは今年4月、400本のうち17本を残して伐採する計画を聞かされたという。「須崎公園の豊かな自然や樹齢60年を超える樹木たちを守りたい」。公園近くで書道教室を開く初島さつきさん(55)は、近くに住む井上礼子さん(71)と「守る会」を立ち上げて活動を始めた。

 同会はインターネットも駆使して署名活動を行い、7日現在で集まったのは1400筆に上る。公園が見える場所で20年以上暮らす井上さんは「春は桜が咲き、夏はセミの声が聞こえ、絶えず野鳥が飛来する。これほど豊かな自然は他にない」と話す。

 市はこうした訴えに一部応じる意向で、伐採予定の樹木を最大で約90本残すことを住民らに伝え、今後どの樹木を残すのか協議していくという。新しい公園にはサクラやクスノキなど、現在より多い高低600本の樹木を植える予定で、市みどり政策課は「今後も住民と意見交換をしっかりと行っていきたい」としている。

 (上田泰成)

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