全面解除へ「敵」は緩み 人出増、時短要請無視…知事「協力を」

 福岡県への緊急事態宣言が20日で解除され、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行することが決まった。県内の新規感染者は大幅に減少しているが、県は飲食店への営業時間短縮要請などを継続して感染再拡大を阻止したい考えだ。ただ、既に人出は増加傾向で「緩み」も指摘される。感染力の強い変異株が主流になる中、県が目指す6月末の前倒し解除は見通せない。

 「飲食の場が急所。感染を徹底して抑え込まないといけない」。17日に記者会見した服部誠太郎知事は、重点措置の必要性を強調した。県内の新規感染者数は、ピークの634人(5月12日)から10分の1以下に減少。病床使用率も80%から30%まで改善している。

 一方で、飲食店起点の感染が拡大する事例は依然として多い。県内の飲食店の8割が集中する福岡、北九州、久留米3市に強い措置を続け、リバウンドを防ぎたい考え。政府は全面解除すれば、東京や関西圏からの観光・ビジネス客の流入が増えることを警戒する。

 ただ、「全面解除」に向けた懸念は少なくない。17日には現在主流の変異株よりさらに感染力が強いとされるインド由来の変異株疑いが県内で初確認された。

 まん延防止の「切り札」となるワクチン接種は、1回目の接種を終えた県民は12%にとどまる。一方で、県の広域接種センターや福岡市などの予約枠が大幅に余るなど運用面が課題となっている。

 「最大の敵」(県幹部)とされる「緩み」も顕在化している。天神や博多の昼間の滞留人口は「直近2週間で顕著に増加」(政府の専門家)。県民の「自粛疲れ」もあり、ある飲食店経営者は「今月から休業・時短要請を守らない飲食店が増えている」と指摘する。

 新規感染者は、この1週間は40人前後で推移し、減少に鈍化傾向が見られる。ワクチン接種が進むまでは、感染防止の頼みの綱は県民や事業者の協力しかない。服部知事は会見で「解除イコール緩みになってはならない。県民や事業者に繰り返し協力をお願いしていく」と念を押した。 (華山哲幸、河合仁志)

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