心揺さぶる名作の数々 「高畑勲展」来月18日まで 福岡市美術館

 1960年代から半世紀にわたり、日本のアニメーション界をリードした故高畑勲さんの足跡をたどる「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」が、福岡市中央区の市美術館で開催されている。

 展示されているのは、制作ノートや絵コンテ、キャラクターデザイン、背景画など、千点を超える貴重な資料の数々。高畑さんが初めて長編アニメの監督を務めた「太陽の王子 ホルスの大冒険」を始め、テレビ放映された「アルプスの少女ハイジ」、映画「火垂るの墓」、遺作となった「かぐや姫の物語」など作品ごとに紹介している。

 中でも「火垂るの墓」のポスターを基にしたプロジェクションマッピングボードは必見だ。主人公の清太と節子が戯れる草むらのホタルと、米軍爆撃機の投下する焼夷(しょうい)弾の光が混然として描かれ、その無残さと切なさに心を揺さぶられる。映画公開当時のポスターでは機影は暗夜に沈み不鮮明だったが、今回ははっきり描かれ高畑さんのメッセージが強く伝わってくる。

「火垂るの墓」 主人公、清太と節子の背景に映る焼夷弾とホタルの対比に心を揺さぶられる ⓒ野坂昭如/新潮社、1988

 展示室外にもアルプスの少女ハイジや、パンダコパンダのフォトスポットがあり、楽しく写真を撮ることができる。

 展示に関わったスタジオジブリの田中千義(かずよし)・制作プロデューサーは「作品にこだわりを持った高畑さんの作品は完成度が高く、永遠に残り続けるだろう。高畑さんを知らない人にもぜひ見にきてほしい」と話した。 (写真と文・納富猛)

 【メモ】7月18日(日)まで。観覧料は一般1500円、高大生1000円、小中学生600円。問い合わせは、西日本新聞イベントサービス=092(711)5491(平日午前9時半~午後5時半)。緊急事態宣言の間は、高畑勲展以外の館内施設は閉鎖中。

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