「64歳以下」誰から接種? 九州の自治体、実情に合わせ優先枠

 新型コロナウイルスのワクチン接種は、65歳以上の高齢者に続いて「64歳以下」ではどんな順序で進むのか。21日から企業や大学での職域接種が本格的に始まる中、九州の各自治体は基幹産業の従事者や海外実習をする高校生など、地域の事情に合わせてさまざまな優先枠を設けている。

 厚生労働省は重症化リスクなどを踏まえ、(1)医療従事者(2)65歳以上の高齢者(3)高齢者以外で基礎疾患がある人や高齢者施設などで働く人(4)その他の人-の順で接種する方針を示す。(4)については「地域の実情に応じて進めてほしい」と各自治体に判断を委ねている。

 多くの自治体は市民生活を支えるエッセンシャルワーカーを優先する。福岡県は7月下旬にも、保育士や教職員、介護サービス事業従事者、消防団員、柔道整復師など、人との接触が多い業種やクラスター(感染者集団)が発生した場合に影響が大きい施設職員を対象に接種を始める。飲食業や理美容師、旅館・ホテルなどで働く人も加え、計約24万人を優先する方針。接種センターを県内8カ所に新設して対応するという。

 優先枠に地域の特性を反映させる自治体も目立つ。福岡市は「ワクチンを打たない子どもたちに近い人々を優先する」とし、保育士や幼稚園教諭に続き、今後は教職員や学童保育職員にも対象を広げる。鹿児島県霧島市は「経済を支える基幹産業の一つ」として、観光業や飲食店、公共交通機関の関係者約3200人を優先させる。

 通院に広くタクシーが活用されている長崎県波佐見町。町は「コロナ感染者かもしれない客を乗せるケースもあり、リスクが高い」として、町内のタクシー事業所に勤める町内在住の運転手を対象に加えた。

 九州では近年、毎年のように大規模災害が発生。3年連続で豪雨災害に見舞われた福岡県久留米市では「災害発生時に重要な人材」として消防団員700人の接種を済ませた。

 大分県臼杵市は、市内の県立海洋科学高でマグロはえ縄漁の長期航海実習に参加する生徒や教員ら計50人への優先接種を決めた。実習は8月末から約2カ月に及び「感染対策を徹底しても完全には防げない」(堤進教頭)と、学校側が要望したという。

 厚労省によると、優先接種の対象とならない64歳以下は今後、自治体以外に職域や自衛隊の大規模接種センターなどで接種が進む。同省予防接種室は「どこで接種しても良く、対象から漏れることはない」と説明している。 (金沢皓介、井崎圭、高田佳典、華山哲幸)

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