在住外国人の困窮掘り起こし コロナ禍、福岡市の団体が食料支援通し

 日本での就労を希望する外国人を支援する団体「YOU MAKE IT」(ユーメークイット、福岡市中央区)が、新型コロナウイルスで困窮する福岡在住の外国人を対象に無料の食料配布を始めた。狙いは直接的な支援にとどまらない、「見えない困窮者」の掘り起こしだ。

 食べ物に困っているという外国人の声が寄せられていたことから企画した。レトルト食品や菓子など日持ちする食料の提供を企業などから受けて詰め合わせ、6日と9日に計約70人分を配布した。

 食料を受け取りに来たベトナム人の専門学校生チャン・ティ・フォン・タオさん(28)=福岡市=は、緊急事態宣言の影響でホテルのアルバイトが急減。1日の食事を2回に減らしているという。祖国には2年近く帰れておらず「学費を払うのが大変です。食べ物をもらえるのはとても助かります」と話した。

 会場ではスタッフや保健師が生活や健康の相談も受け付けた。ネパール人の女性は「アルバイトをうまく探せない」と訴えた。勤務先のコンビニで勤務日や時間が絞られたという。ユーメークイットの楳木健司代表理事(38)は「私も探してみるから」と、団体の連絡先を手渡した。

 食品工場に勤務するベトナム人の男性(27)は2017年に来日後「一度も病院に行ったことがない」と話した。理由は「言葉が難しそうだから」。ネットで調べた市販薬でしのいでおり、保健師は電話での相談窓口について助言した。

 福岡市の登録外国人数は約3万7千人(今年5月末現在)。県が昨年2、3月に実施した調査では、回答した約1500人の外国人のうち、日本人とのコミュニケーションが取れず不安に思う人が約20%いた。

 食料配布会場へは1人で来る外国人がほとんどで、スタッフが「日本人の友だちはいる?」と尋ねると、首を振る人も多い。「コロナ禍が長期化する中、オンライン授業の増加や仕事のシフト減少で日本人との接点はさらに少なくなっている」と楳木さん。「見えづらくなっている外国人の困窮にアンテナを張り、支援につなげたい」と話した。 (福間慎一)

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