えっ!?公園駐車場にクルーザー 不法投棄か一時放置か…撤去に難問

 「北九州市の県営中央公園駐車場に不法投棄されている船がある」-。西日本新聞「あなたの特命取材班」に公園利用者から情報が寄せられた。記者が八幡東区の山手にある駐車場へ行くと、そこに放置されていたのは古びた小型クルーザー。近くには1年以上放置されたままという軽自動車もあった。ともに所有者と連絡が取れていないという。利用者の駐車を妨げており、公園の管理者らは頭を抱えている。

 クルーザーは全長約6メートルで、陸地を移動するための滑車に乗せられている。座席には段ボールやゴミ袋が散乱。船体の側面に貼られたシールには、船舶の次回検査時期の記載があり、日付は約5年前だった。

 公園の管理事務所によると、5月30日夜に見回りの警備員が発見。所有者は見当たらず、翌日、八幡東署に相談したが、現段階で警察での対応は難しいとの回答だった。

 同署によると、不法投棄は廃棄物処理法違反容疑で立件する場合があるが、自動車など乗り物の場合、不法投棄なのか一時的に放置しているのか、判断の線引きが難しいという。同署は「管理者が困るのは分かるが、基本的には双方の話し合いで解決してもらうしかない」と説明する。

 公園を管轄する北九州県土整備事務所は、船体に貼ってあった船舶番号に基づき、所有者の名前を割り出して自宅を訪問するなどしたが、所在はつかめていない。「わざわざ山手までボートを持ってきて放置する意図がわからない」と担当者ら。不法投棄防止のパトロールを担当する北九州市産業廃棄物対策課も「ボートが陸地に不法投棄されるのは珍しい」と驚く。

 また、クルーザーと同じ駐車場に放置された大分ナンバーの軽乗用車も所有者が判明したが、連絡がとれていない。軽乗用車の周りには雑草が生い茂っている。

 この公園では、数年前にも自動車の放置が発生。その際は、所有者を割り出して移動させたが、管理事務所の職員は「駐車場は24時間無料で開放しており、防犯カメラもないので放置しやすいのかも」と指摘する。

 同課によると、2019年度に市内で把握した不法投棄は757件で、自転車やごみが多い。このうち、所有者を割り出して、本人に処分させたのは10件のみ。残る大半は所有者が見つからず、土地の管理者が費用を負担して処理したという。

 「クルーザーは駐車スペースから1メートルほどはみ出ている。このまま置いておくのは危ない」(管理事務所)ため、整備事務所はクルーザーを一時的に他の場所へ移動させるなどの対応を検討しているが、費用は税金で賄うことになる。担当者は「撤去にはかなりの費用がかかると見込まれ、慎重に考えないといけない。ここは公園を利用する人のためにあり、勝手に処分場所とするのはやめてほしい」と訴える。

 管理事務所は再発防止策として、夜間の利用制限や監視カメラの設置を前向きに検討するとしているが、設置時期などのめどはたっていない。 (姫野一陽)

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