カネミ患者の子や孫の健康調査 8月にも開始、認定基準の再検討も視野

 西日本一帯で1968年に発生し、国内最大の食品公害といわれる「カネミ油症」を巡り、厚生労働省の全国油症治療研究班(班長・辻学九州大准教授)は、認定患者の子や孫など次世代を対象とする健康調査を8月にも始める方針を固めた。認定されていない次世代の調査は初めて。研究班は調査結果を踏まえた認定基準の再検討も視野に入れている。

 25日、福岡市で開かれた油症対策委員会で辻班長が方針を説明し、患者団体と合意した。7月末に開かれる国や患者団体、原因企業カネミ倉庫(北九州市)による三者協議で正式決定する。

 患者団体によると、研究班が対象者宛てに調査票を送り、10月末までに回収する。倦怠(けんたい)感や手足のしびれ、発疹などの特徴的な症状のほか、自由記述欄を設けて多様な症状を把握する。対象となる認定患者の子は300人と推計される。

 2012年の被害者救済法成立を受け、1968年に認定患者と同居していた家族は一定の症状があれば患者と見なされるようになったが、69年以降に生まれた子などはダイオキシン類の血中濃度が基準を超えなければ認定されないことが多い。次世代にはダイオキシン類の血中濃度が低くても症状を訴える人は多く、認定基準が厳しすぎるとの指摘が出ていた。

 14の患者団体でつくる「カネミ油症被害者全国連絡会」の三苫哲也事務局長(51)は「孫世代も対象に含まれ、われわれの要望はほぼ聞き入れられた。調査をするだけでなく、認定に持ち込むことが今後の課題だ」と語った。

 (竹中謙輔)

 カネミ油症 1968年に長崎、福岡両県などで発生した食品公害。カネミ倉庫(北九州市)製の米ぬか油にポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入したことが原因で、油を口にした約1万4千人が体の吹き出物や手足のしびれ、倦怠感などの健康被害を訴えた。認定基準は当初、皮膚症状や血中PCB濃度などだったが、2004年にダイオキシン類のポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)の血中濃度が加わった。3月末の累計認定患者数は2353人。

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