3児死亡事故、若者半数「知らない」 福岡、飲酒運転摘発者聞き取り

 福岡県警が飲酒運転で摘発した100人に対し、2006年に福岡市東区で3児が犠牲になった飲酒運転事故について聞いたところ、約9割が「知っている」と回答したことが分かった。一方で、29歳以下に限ると半数程度にとどまった。悲惨な事故を知っていながら飲酒運転する人が相次ぎ、若い世代では風化が進んでいる実態が浮き彫りになった。千葉県八街(やちまた)市で児童5人が死傷する事故が起きるなど飲酒運転は後を絶たず、過去の教訓をどう生かすのかが課題になっている。

 聞き取りは、世代ごとの認識を対策に生かそうと昨年6~11月に実施。100人のうち89人が3児死亡事故を「知っている」と回答した。県警幹部は「悲惨な事故を知っていても人ごとのように考えたり、アルコール依存症を抱えていたりする背景があるのではないか」と推し量る。

 29歳以下の16人では、「知っている」が9人にとどまった。29歳以下が起こした県内の飲酒運転事故はここ数年増加傾向にあり、重大事故を知らないことが安易な飲酒運転につながっている可能性がある。県警は高校や大学などに出向き、飲酒運転を疑似体験できる機器も活用して交通安全教育に力を入れている。

 06年の事故は、福岡市東区の海の中道大橋で、飲酒運転の車が追突し前を走っていた車が海に転落、幼い3きょうだいが死亡した。

 事故は厳罰化のきっかけになり、翌年に改正道交法が成立。酒気帯び運転の罰則が「1年以下の懲役、または30万円以下の罰金」から「3年以下、または50万円以下」に引き上げられ、車両、酒類の提供者や同乗者への罰則も新設された。飲酒運転ゼロを目指す官民一体の取り組みも進んだ。 (山口新太郎)

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