近親者からの性虐待「苦しみを吐き出す場所はある」 春日市などで集会

 親やきょうだいなど近親者から受けた性的虐待について被害当事者が語り合う集会「回復へのツナガリを探して」が14、15の両日、福岡県春日市のクローバープラザなどで開かれる。当事者の自助グループ「SIAb.(シアブ)」(東京)主催。近親者による性的虐待の被害者は誰にも打ち明けられないまま孤立しがちだ。シアブは「苦しみを吐き出す場所があることを知ってほしい」と話す。

 「嫌だと思っていた。でも何が起きているのか、何が嫌なのかも分からない。それを表す言葉すら知らなかった」。九州で暮らすあおいさん=仮名、30代=は絞り出すように話した。

 実父からの性的虐待が始まったのは4~5歳の時。父親は普段「優しい普通の会社員」だった。だが、あおいさんと二人きりになると一変した。

 何が起きているのか、同じ屋根の下に暮らす母親にも言えなかった。父親に口止めされたのもある。それ以上に、話せば何か大変なことになるという恐ろしさが幼い心と体を縛った。被害は小学校高学年で両親が離婚するまで続いた。

 その後も長く記憶にふたをした。もともと幼い頃から10代までの記憶は全て途切れ途切れにしかない。だが20代後半、あの頃のことが鮮明によみがえった。初めは今のことなのか、いつのことなのか、混乱した。次第に性的虐待だったとはっきり認識した。

 インターネットで「近親姦」と検索し、シアブを知った。以来、精神科に通いながら週1回、シアブが開く当事者の集い「ピアミーティング」に参加し経験を語り合う。「ずっと誰にも言えないと思っていたけれど、それは自分だけじゃなかった」。うまく言葉にできないこともある。だけど気持ちは通じ合う。

 苦しみは少しも薄れてはいない。母親には今も何も明かしていない。だが語り合える仲間がいる、それが生きる支えの一つだ。今回の福岡の集会にはシアブの仲間とともに登壇する。九州で新しい仲間とつながりたい。そんな思いもある。 (本田彩子)

 「回復へのツナガリを探して」 一般も参加できるシンポジウムと当事者女性のみのピアミーティング。シンポは14日午後1時、クローバープラザで。あおいさんたちメンバー6人が自身の経験を語る。オンラインでも同時開催。一般(会場1100円、オンライン1500円)は申し込みが必要、当事者(無料)は当日参加可。ピアミーティング(いずれも無料)は同日午後5時(定員45人)と同7時(オンラインのみ)、15日午後0時15分(同25人)、同プラザなど2会場。申し込みが必要(定員以内なら当日参加可)。申し込みはこちらから。シアブ=050(5532)8693。メールはinfo@siab.jp

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