「なぜ、できない」に苦悩、2ヵ月待ちの相談予約

 ひとりじゃないから 3

 日本の方ですか―。大学生の時、アルバイトを探していたリク(32)=仮名、福岡県=は電話越しに外国人と間違えられることがあった。緊張するとうまく言葉が出ない。面接の「アポ取り」は苦難続きだった。

 「昔、発達障害の疑いがあると言われたの。恥ずかしいことじゃないよ」。母親(58)に告げられたのは大学3年だった。病院で発達障害の一つ、自閉症スペクトラムと分かる。療育手帳を取得し、企業の障害者枠で採用された。

 手を離せば道路に向かって走りだし、知らない人に抱き付く子どもだった。母は障害児を持つ親の会で向き合い方を学ぶ。「特効薬があるわけじゃない。受け入れることで前へ進めた」

 リクも「大変だったと思う」と母をいたわる。高校生の頃から自営業で忙しい母のため、家事をこなす。食器洗いも洗濯物のたたみ方も母が教えてくれてマスターした。社会人10年目、毎朝弁当を作って出勤する。...

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