【日高逸子物語】単調な日々もう嫌…100万円を握りしめ東京へ

水上のグレートマザー日高逸子物語(9)

 信用金庫の仕事は、日高逸子にとっては苦痛でしかなかった。受付のほかに預金係もしていたが、実のところ客から印鑑を押してもらうだけだった。

 同じ仕事の繰り返しが、嫌でたまらない。半年が過ぎても、受付で笑顔も作れない。苦しみから逃れるため、帰宅途中で川に身を投げようかとさえ思った。

 その時、必死で抑え込んできた思いが再び頭に浮かんできた。

 「やっぱりここを出たい」

 そのために何ができるかと考えた末にたどり着いたのは「菓子づくり」だった。幼い頃から料理をしてきたせいか、菓子づくりが得意だった。仕事から家に帰っても、ケーキやクッキーを作って家族に食べさせるのが楽しみの一つだった。

 これは自分の強みではないのか。

 「よし、菓子職人になろう」...

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