新たな目撃証言「別人の車に2女児」 飯塚事件、2度目の再審請求

 福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、死刑が確定し、執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚=執行時(70)=の遺族が9日、2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。確定判決が認定した遺体遺棄の時間帯に、現場から離れた場所で「怪しい男が車に幼い女の子2人を乗せて走っていた」とする目撃証言を「新証拠」として提出した。 

 証言したのは福岡県内の男性(72)。再審請求書によると、男性は女児2人の遺体が遺棄されたとされる92年2月20日午前11時ごろ、飯塚市と福岡都市圏を結ぶ八木山バイパスを福岡方面に走行中、追い越した軽ワゴン車の後部座席にいた小学生の女の子2人を目撃。1人はランドセルを背負って「うらめしそうな、今にも泣きそうな表情」、もう1人は横になっていたという。運転手は元死刑囚とは特徴が異なる「丸刈りで色白、細い体の30~40代くらいの男性」としている。

 その日の夜、男性は「飯塚市内で女児2人が行方不明」というニュースを見て翌21日朝に警察に通報。約1週間後に警察官に事情を話したが、聴取はその1度きりで供述調書は作成されなかったという。

 記者会見した男性は、目撃した女児は写真で見た被害者と「非常によく似ていた」と説明。運転手は、一審の初公判の傍聴席から見た元死刑囚とは別人だったと話した。弁護団は「印象的な表情や不審に感じた状況、事件に関心を持ち続けていたことなど、記憶は定着しており証言の信用性は高い」と強調。「元死刑囚の犯行と結びつかない証拠として、無視されたのではないか」と指摘した。

 元死刑囚は一貫して無罪を主張。犯行を裏付ける直接証拠はなく、確定判決は(1)DNA型と血液型鑑定(2)遺留品遺棄現場で元死刑囚の車と似た不審車両を見たとする目撃供述(3)元死刑囚の車から検出された血痕・尿痕(4)繊維鑑定-などの状況証拠から有罪とした。

 再審無罪となった「足利事件」と同じ手法のDNA型鑑定が問題視されたが、第1次再審請求では福岡地裁、高裁ともにDNA型鑑定の証明力を否定しながらも請求を棄却。最高裁も今年4月、地・高裁の判断を踏襲し再審を認めない決定をした。 (森亮輔)

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