うちの秘書が応募します 電話の発信元は「安倍晋三」

 自民党長崎県連が5日に衆院長崎1区の候補者公募を開始後、地元政界関係者の携帯電話が鳴った。「うちの秘書が応募するので、しっかりと公正に選考してください」―。液晶画面に表示された発信元は「安倍晋三」だった。

 公募前、1区の候補者は女性県議が有力視され、県政界に影響力を持つ衆院議員の谷川弥一氏や参院議員の金子原二郎氏の支援も「おおむね話がついていた」(党関係者)。

 そうした県連の空気は「政治家秘書の経験を古里のために生かしたい」とする初村滝一郎氏の参入で一変した。西九州新幹線の全線フル規格化やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致など、国の後押しも必要な課題が多い長崎県にとって「(安倍晋三前首相の顔をつぶすと)先々のことを考えたらやっかい。上様(うえさま)やから」(県連幹部)。閣僚や安倍氏周辺から地元国会議員、業界団体への働き掛けもあったという。

 県連は当初、11日の選考委員会を「候補者の選考方法を決める場」としていたが、選考委員から候補者を決めるべきだとの声が上がり、選考委員による投票が実施されることになったという。27人による投票で初村氏は19票を獲得した。「永田町や霞が関で多くの人脈をお持ち。わが国や長崎のために力を大いに発揮していただきたい」と古賀友一郎県連会長。

 ただ、県連内には、「党員投票で決めることもできた。党員の声をもっと聞いてほしかった」との不満もくすぶる。前首相への配慮と受け止める党員もいる。森友、加計(かけ)学園や「桜を見る会」などの問題も尾を引く安倍氏の影を有権者がどう判断するか不透明だ。

 ある県政関係者は「自民が一枚岩にならないと勝てない。果たしてそんな態勢が整うか」とつぶやいた。

 (長崎総局取材班)

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