元プロ左腕、第2のマウンドは競艇場 西武引退の野田さん

 元プロ野球西武の野田昇吾さん(28)=福岡県糸島市出身=が、「水上の格闘技」での第二のプロ人生に挑む。昨季限りでプロ野球の現役を退き、7月にボートレーサー養成所(福岡県柳川市)のトップアスリートを対象とした特別試験に合格。131期として10月に入所し、来年11月のプロデビューを目指す。

 養成所の応募資格は身長175センチ以下で男子の体重は49キロ以上57キロ以下。鹿児島実高で甲子園に2度出場し、西武では通算144試合に登板してリーグ優勝にも貢献。2017年には野球日本代表「侍ジャパン」に選ばれた野田さんは身長167センチの左腕。「もう一度プロでやれるのは何か。(小柄な自分は)ボートレーサーが一番合っている」と決意した。

 身長、体重に制限があるため、過去にプロ野球から転身した選手は1953年の早瀬薫平さん(元阪急)だけ。野田さんも現役時代の体重は75キロ。1日10キロのランニング、ナッツばかりの食事などで目標の55キロを下回る52キロまで減量した。

 朝が早い養成所の生活を見据えて、八百屋で人生初のアルバイトも経験。午前4時に起きて同5時から働き、仕事の後はトレーニングに励んだ。昨年の元日に結婚したばかりで「家族もいるので覚悟も違う」と全身全霊で取り組んだ。

 幼少時に血管に炎症が起きる川崎病にかかった。20年に1軍での登板1試合ごとに5千円を子どもの治療に付き添う家族の滞在施設などに寄付することにしたが、3試合で計1万5千円にとどまった。「社会貢献活動をやりきれなかった思いがある」。感謝の思いを表現するためにも、養成所で厳しい訓練の日々を送る。 (小畑大悟)

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