コロナ簡易判定の抗原検査「ワクチンとの両輪」回したい西村氏

東京ウオッチ

 PCR検査よりは精度が劣るものの、新型コロナウイルスに感染しているか否かをより簡易に判定できる抗原検査。政府は、その簡易キットを無償配布する取り組みを始めている。西村康稔経済再生担当相は、ワクチン接種とともに抗原検査を防疫対策の「両輪」と位置付け、推進したい考え。ただ、簡易キットが地方までスムーズに供給され、浸透するにはなおハードルがある。

 ウイルスの特徴的なタンパク質を検出する抗原検査には、現在、その人がコロナ陽性か陰性かだけを判断する定性検査と、ウイルスの量も分かる定量検査がある。

 受検者本人が鼻孔の入り口を拭い、検体を検査スタッフに渡してから約20分で結果が出る簡易キットは、定性検査用。検査中にスタッフが感染するリスクが低く、大がかりな機器やスペースが必要ない利点がある。新規感染者が出た職場や施設などで、感染範囲の早期特定にも役立つ。

 ウイルス量が少ない場合には「陰性」と出てしまうことがあり、従来はPCR検査並みの精度は期待できないとされていた。しかし、最新の研究により、コロナの症状が出てから2~9日目に簡易キットの抗原検査を受けた場合、より高精度で感染の有無の判定結果を得られることが判明。政府もPCR検査と同様に、「確定診断」として認めるお墨付きを与えた。西村氏は「人に感染させる(ウイルス)量があるときはしっかり検知できる」と話す。

 現在、承認済みの簡易キットは国内外の14種類。1回分は千円程度と比較的安価で、検体の自己採取も容易だという。

 政府は、医療機関や高齢者施設を対象に800万回分、大学や高校、専門学校に80万回分を無償配布するとしており、7月6日時点で既に36都府県、約298万回分の発送を手配済み。ワクチン接種が済んでいない、体質を理由に接種できない、接種を希望しない人たちを優先し任意で検査を実施し、クラスター(感染者集団)の芽を摘む効果を狙う。

 それでも、抗原検査が今後、全国的に普及していくかは見通せない。

 現在、簡易キット自体の流通量がそこまで多くない上、企業などが個別に入手しようとするときも医療機関と提携し、検査スペースに医療従事者か研修を受けた管理者を配置することが義務付けられている。政府の無償配布分を除き、購入費用などの補助制度もない。厚生労働省の担当者は「どれぐらいの事業者が積極導入に応じてくれるかは分からない」と話す。全国知事会は、財政的な目配りも含めた国の全面支援を訴えている。

(河合仁志)

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