効果に疑念?中国ワクチン切り替え 感染急増のタイ、インドネシア

 【バンコク川合秀紀】新型コロナウイルスの変異株感染が急拡大するタイとインドネシアで、ワクチン接種の多くを依存してきた中国企業製品の効果を疑問視する動きが広がっている。タイ政府は急きょ、1回目に中国の科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製を接種した人について、2回目は英アストラゼネカ製に切り替える方針を表明。インドネシアも3回目の追加接種をシノバック製から米モデルナ製に変更する計画を示した。

 タイでは2月ごろからシノバック製を中心に医療従事者向け接種を開始。だが保健省によると、今月までにシノバック製を2回接種した約67万人のうち618人が感染。今月初めには、米ファイザー製の使用案を検討する内部会議で専門家が「シノバック製の効果がないと認めることになる」と発言していたことが暴露され、医療関係者の間で批判が高まっていた。

 これを受け保健相は12日、6月から進めている一般市民向け接種で、1回目がシノバック製だった人に対し2回目はアストラ製を使用すると表明。シノバック製を2回接種した医療従事者にもアストラ製かファイザー製を追加接種する考えを明らかにした。

 今月に入り毎日3万人以上の新規感染者が出ているインドネシアは9日、大半がシノバック製を接種済みの医療従事者約150万人に対し、3回目としてモデルナ製を接種する計画を発表した。今月初めには民間調査機関が、ワクチンを2回接種した医療従事者が6月以降131人死亡し、その大半がシノバック製だったと発表していた。

 タイ、インドネシア当局は異なるワクチンの接種について「変異株に対して、より強い免疫効果がある」と説明。欧州でも混合接種を始めているが、世界保健機関(WHO)の専門家は12日の記者会見で「混合接種に関してはデータや証拠が少なく、危険な傾向だ」と警鐘を鳴らした。これを受けタイのプラユット首相は13日、専門家による詳細な検討が必要との考えを示した。

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