山口3区“代理戦争”二階氏と岸田氏どう動く 林芳正氏くら替え出馬表明

 自民党岸田派の林芳正元文部科学相(60)=参院山口選挙区=は15日、山口県宇部市内で記者会見し、次期衆院選山口3区にくら替え出馬する考えを正式に表明した。3区では、自民現職で二階派の河村建夫元官房長官(78)が立候補する意向を示しており、自民党分裂選挙となることが確実な情勢となった。

 林氏は「5度の閣僚経験を含め、いろんな経験をさせていただいた。この経験をしっかり生かしていきたい」と述べ、衆院議員にくら替えして首相を目指す決意を表明。くら替えに関しては「一つのハードルとして越えなければならない」と強調した。

 二階俊博幹事長は公認について「現職優先」を原則とする考えで、林氏がくら替え出馬すれば処分する可能性に言及しているが、林氏は「決意を貫くということ」として、無所属での立候補も辞さない構え。準備が整い次第、参院議員を辞職する意向も示した。

 林氏は故林義郎元蔵相の長男。1995年の参院選で初当選し、現在5期目。防衛相や農相を歴任し、2012年には党総裁選にも出馬した。現在は参院憲法審査会長を務めている。

 3区には、河村氏のほか、立憲民主党県連副代表の坂本史子氏(66)も立候補を予定している。 (華山哲幸)

現職抱える二階派猛反発、岸田氏には「足かせ」にも

 次期衆院選山口3区を舞台に、自民党二階派と岸田派の代理戦争が幕を開けた。岸田派の林芳正氏が15日、参院山口選挙区からのくら替え出馬を表明すると、現職で二階派の河村建夫氏は即座に受けて立つ考えを示した。当選10回を数える河村氏への“反旗”に、二階派は猛反発。一方、次期総裁選に意欲を示す岸田派の岸田文雄会長には、林氏の決断が今後の「足かせ」ともなりかねない。

 この日、林氏が記者会見に先立って開いた後援会の会合には地元の自民、公明県議、市長らが多数出席。林氏のくら替えに対する「底堅い支持」を演出してみせた。

 2012年の党総裁選に名乗りを上げ、閣僚経験も豊富な林氏。不祥事で辞任した閣僚の後を任されるなど「困った時の林」との異名も持つ。早くから首相候補と目され、自民山口県連は12年12月の衆院選前から、山口3区に狙いを絞ってきた経緯もある。

 永田町では、首相を目指す上で衆院議員の肩書は必須条件とされる。次々回の衆院選で山口県の選挙区は4から3に減ることもあり、「林氏には今回が最後のチャンス」と岸田派幹部。派内には政策通の林氏が衆院議員になれば、林氏への「代替わり」を期待する声もある。派閥領袖(りょうしゅう)の地位を脅かす存在でもある林氏の挑戦について、岸田氏は「日本にとって大切な人材。しっかり応援したい」と強調した。

 一方、河村氏の後ろ盾となる二階俊博幹事長らは一斉に反発。林氏の会見直後に開かれた派閥会合では「(河村氏を)全員で支える」と確認。二階派幹部は「もう引けない。全面戦争だ」と鼻息を荒くした。河村氏も記者団に「党公認として議席を守る使命感に燃えている」と強気を前面に出した。

 党執行部は「現職優先」を掲げており、二階氏は林氏の処分も辞さない構えだ。だが、党内には公認を争う選挙区が他にも10程度あり、他派閥の現職に二階派の現職らが挑むケースも多い。公認調整を巡っては、二階派議員にブーメランのように跳ね返ってくる可能性もある。(郷達也、河合仁志、華山哲幸)

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