大雨で曽木発電所遺構の壁倒壊 鹿児島県伊佐市、ダム湖底の国文化財

 九州南部に特別警報が出た今月初旬の大雨で、鹿児島県伊佐市の川内川上流のダム湖底に立つ国登録有形文化財「曽木発電所遺構」の壁が損壊した。市は復旧を検討しており、所有する国と協議する。

 遺構は1909年に建設された水力発電所の跡で、中世ヨーロッパの城を思わせる赤いれんが造りが特徴。65年の鶴田ダム完成に伴い湖底に沈んだ。洪水に備えて水位を下げる5~9月に姿を現し、約1・5キロ上流の「曽木の滝」と合わせて人気の観光スポットとなっている。

 市は遺構正面の壁が高さ約8メートル、長さ約30メートルにわたって倒れているのを確認。流れ込んだ土砂などが原因とみられ、担当者は「ここまで大きく壊れたのは初めて。復旧に向けて国や県と協議したい」と話した。れんが壁は現場に倒れたままの状態で、大規模な流失などは確認されていないという。

 曽木発電所はチッソ創業者の野口遵(したがう)(1873~1944)が鉱山開発などに電力を供給する目的で建設。余剰電力は熊本県水俣市の「日本窒素肥料」(後のチッソ)の工場に回され、照明などに使われるカーバイドの生産に活用された。(片岡寛)

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