「どうかワクチン接種を」米でコロナ再燃、危機感募らすバイデン政権

 【ワシントン金子渡】米国で新型コロナウイルスの感染が再燃している。感染力が強いインド由来の「デルタ株」の感染拡大が主な原因で、1日当たりの新規感染者数は3万人を上回る。感染再燃の懸念は好転していた経済にも影響し、19日の米株式市場は軒並み続落。政権発足から20日で半年を迎えたバイデン政権は危機感を強めている。

 「どうか、どうか、ワクチンを接種してください」。バイデン大統領は19日、ホワイトハウスで開かれた記者会見でワクチン未接種者に訴えかけた。バイデン氏はこの日の会見で半年間の経済対策の実績をアピールした上で「経済回復はパンデミック(世界的大流行)の収束にかかっている」と強調した。

 現在、米国ではデルタ株が急速に広がり、新規感染者の半数以上を占める。ロイター通信によると、1日当たりの感染者数は6月18日の約1万2千人から今月18日には約3万2千人となり、30日間で3倍近くに膨れ上がっている。

 感染再燃の懸念から、19日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は大幅続落。前週末の終値と比べて下げ幅は一時800ドルを超えた。

 米疾病対策センター(CDC)などによると、最近の新規入院患者の97%、死亡者の99%が未接種者とされ、ワクチン接種が急務となっている。ただ、会員制交流サイト(SNS)ではワクチンの安全性に関して「不妊につながる」といった誤った情報や悪質な偽情報が広がっており、接種ペースは鈍化している。政権は当初、7月4日の独立記念日までに成人の7割が少なくともワクチンを1回接種するとの目標を掲げていたが、19日時点(68・3%)でも達成できていないのが現状だ。

 思うようにワクチン接種が進まない中、バイデン氏はいらだちを募らせる。16日には、米交流サイト大手フェイスブック(FB)が十分な偽情報の拡散防止策を取っていないとし「FBが人を殺している」と強い表現で批判。これに対し、FB側が「言い掛かりだ」と反論するなど泥仕合の様相を呈している。

 19日の会見で、記者から発言の真意を繰り返し問われたバイデン氏は「正確に説明させてほしい。FBが人を殺しているのではなく、そこで誤った情報を流している人が殺している」と釈明に追われた。

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