中国、東京五輪の支持強調 「北京」へ日本の協力狙う

 【北京・坂本信博】中国政府は23日の東京五輪開会式に首脳級の出席を見送った。中国との対立が深まる米国と歩調を合わせる日本へのけん制とみられる。ただ、習近平指導部は東京五輪への支持を一貫して表明し続けてきた。習指導部が威信をかける来年2月の北京冬季五輪を巡っては、新疆ウイグル自治区での人権抑圧を理由とするボイコット論が国際社会でくすぶっている。このため、五輪に関しては日本との協力体制を維持し、日本の支持を確実にしたい思惑が透ける。

 中国は2014年のソチ冬季五輪には習国家主席が自ら出席し、16年のリオデジャネイロ五輪と18年の平昌冬季五輪には副首相を派遣した。

 日中外交筋によると、東京五輪には、習指導部を構成する共産党政治局員(25人)でもある孫春蘭副首相の派遣を調整していたが、東京での新型コロナウイルスの感染拡大や、台湾問題などで米国と一緒に対中批判を強める日本への反発から見送ったという。

 中国外務省の趙立堅副報道局長は22日の記者会見で、開会式の出席者を尋ねる質問に直接答えず「中国は東京五輪の順調な開催を支持する」と強調。攻撃的な「戦狼外交」で知られる趙氏だが、東京五輪に関してはこれまでも同様の発言を繰り返している。

 中国メディアでは東京五輪に関して、無観客開催や日本のコロナ対策を批判的に報じるものもあるが、好意的な報道が大勢。国営中央テレビは約800人もの取材団を日本に派遣した。関係者は「冬季五輪報道の予行演習に加え、東京五輪の失敗点や成功点の詳細な情報を収集して大会運営に生かすため」と明かす。

 中国では来年秋、共産党の5年に1度の最重要行事で、習党総書記の3期目続投決定が確実視される党大会が控える。

 北京の外交筋は「習指導部にとって冬季五輪は、日本が果たせなかった『新型コロナウイルスに打ち勝った証し』をアピールし、習氏の偉大さを国民に示す極めて重要な機会。東京五輪支持を通じて日本がボイコット論に同調するのを封じ、冬季五輪開催を確実にする狙いがある」と話した。

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