無観客のスタジアム、異例づくめの五輪スタート #この一枚 

 第32回夏季オリンピック東京大会は23日、東京都新宿区の国立競技場で開会式が行われた。新型コロナウイルスの影響で史上初の1年延期となった大会は、開催都市、東京が緊急事態宣言下にある中で幕を開けた。開会式も含め大半の会場が無観客。感染拡大への不安や直前まで相次いだ大会組織委員会の混乱で異例ずくめの祭典となる。

 1964年東京大会以来、57年ぶり2度目の日本での夏季五輪には不参加となった北朝鮮を除く205カ国・地域と難民選手団を合わせ約1万1千人の選手が参加。8月8日までの17日間で、史上最多の33競技、339種目を実施する。

 式では、大会名誉総裁を務められる天皇陛下、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長ら参加者が新型コロナ犠牲者のために黙とう。華美な演出は控えられ、無観客のスタジアムに歓声は響かなかった。

 初めて五十音(あいうえお)順で行われた入場行進では各国・地域の選手らから笑みがこぼれた。日本選手団は史上最多の選手583人で、金メダル30個が目標。開催国として最後に入場、バスケットボール男子の八村塁(ウィザーズ)とレスリング女子の須崎優衣(早大)が男女ペアで旗手を務めた。

 国内の新規感染者は拡大局面で、来日した選手、関係者の陽性も続く。開会式当日も東京都で新たに1359人、全国でも4225人の感染者が確認された。国内の累計感染者数は86万人を超え、感染拡大の「第5波」の様相を帯びる中、政府やIOCが「安心安全」を唱える大会への逆風は強い。東日本大震災からの「復興」といった理念はかすみ、コロナ禍での開催意義が改めて問われる。

 開会式に参加する大会関係者は900人程度に抑えられ、菅義偉首相や東京都の小池百合子知事らが出席。天皇陛下が開会を宣言され、121日間をかけ全国を回った聖火がテニス女子の大坂なおみ(日清食品)によって聖火台に点火された。24日から競技が本格化する。 (東京五輪取材班)

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