井上監督「これほどのやりがいない」 宇津木監督「経験した全てを出し切る」

 柔道男子日本代表の井上康生監督(43)=宮崎市出身=とソフトボール日本代表の宇津木麗華監督(58)が出場するコーチを代表して、選手代表で日本選手団主将の山県亮太(29)、同副主将の石川佳純(28)らと宣誓に臨んだ。 (西口憲一、末継智章)

 井上監督は2000年シドニー五輪男子100キロ級優勝。16年リオデジャネイロに続いて男子代表を率いる自国開催五輪で集大成に臨む。「一生に一度あるかないか。これほどやりがいや生きがいを感じる時期はあるか。重圧がかかるからこそ緊張を受け止めたい」

 昨年2月末の五輪代表発表会見で落選した選手を思っての涙が反響を呼んだ。「監督として冷静に対応しなければいけない。未熟な行動だった」。常にメダル量産を期待される日本柔道。重圧と向き合うからこそ「五輪に人生を懸け、多くのことを犠牲にして闘い続けている選手をたたえたい」と誠意を示す。

 柔道が初めて実施競技となった1964年東京五輪の映像や資料を見た。中量級覇者の岡野功氏に話を聞いて当時の重圧を感じようとした。「社会的背景が変わっても共通するのは自覚と責任を持った上で最後まで闘うこと」と強調した。

 中国出身の宇津木監督は24歳の88年春に来日した。中国名は任彦麗(にん・えんり)で95年に日本国籍を取得。中国代表時代から憧れた宇津木妙子さん(元日本代表監督)の「宇津木」を名乗った。「麗華」は両親に授かった「麗」と中華人民共和国の「華」。「私には二つの国の心がある」と語る。

 96年アトランタ五輪は中国から出場の承認を得られず、2000年シドニー、04年アテネで主砲としてメダル獲得に貢献。代表監督で世界選手権を2度制し、一度退いて16年末に復帰した。「今まで経験した全てを東京で出し切る」。宣誓に選ばれ「ソフトボールへの期待じゃないかな。そういう意味で緊張している」と語っていた。

 17歳で母を亡くし、04年に父も他界。軍人でスポーツ好きだった父の教えは「夢中になれるものを持ちなさい」。ソフトボールはまさにそのものだ。「夢を持って生きていれば人と人が結び付く。縁から始まる人生がある」。国を超えてアスリートが集う大舞台で夢を追う。

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