15年で地方紙2100紙廃刊…「ニュース砂漠」広がる米国の今

 米国で地方紙が次々に姿を消している。インターネットの浸透で購読者減に歯止めがかからず、デジタル化にも苦戦。2004年以降、全米で4分の1を上回る約2100紙が廃刊に追い込まれ、地元紙がない郡は200を超える。さらに昨年からの新型コロナウイルス禍の影響で年末から来年にかけて数百社が倒産するとの予測も出ている。地域に必要な情報が報じられなくなる「ニュース砂漠」が社会問題化する米国の現状をリポートする。(ワシントン金子渡)

「隠れた問題暴く」共同で調査報道

 「今夜の教育委員会の会議は記事になるかもしれない」。5月上旬、記者たちが円卓を囲み、翌週の紙面について議論を交わしていた。隣の部屋では輪転機がフル稼働し、翌日の新聞を刷り上げていく。

 米南部ノースカロライナ州コロンバス郡。かつてタバコ栽培で栄えた人口約5万5千人の農業地帯に、1896年設立の「ザ・ニュースリポーター」はある。1950年代に白人至上主義の秘密結社「クー・クラックス・クラン」(KKK)と地元警察の癒着を暴き、ピュリツァー賞を受賞した伝統ある新聞社だ。...

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