原爆投下後の広島写真に×印「原発と原爆の違い伝えるため」

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故を想定して昨年11月7日に行われた原子力防災訓練で、同県唐津市が、原発と原爆の違いを住民に説明する際、原爆投下後の広島の写真に赤い「×」を付けた資料を使用していたことが分かった。広島の被爆者は「『原発はそんなに怖くない』と伝えるため、原爆被害が利用されたようにも受け取れる」と不快感を示している。

 「原子力災害について」と題した資料は、同市が訓練に合わせて作成。「原子力発電所はこわい!?」と記し、原爆ドームなどが写る4枚の白黒写真の上からバツ印を付けていた。広島平和記念資料館(広島市)によると、3枚は1945年の被爆後の同市内を撮影し、1枚は米国の原爆実験の様子を収めたものだという。

 唐津市は訓練当日、玄海原発から約10キロに位置する離島・小川島の小川小中学校で資料を使い、子どもや保護者ら約40人に説明。今年4月までに市内2カ所の学校でも使用した。市危機管理防災課は取材に「毎年の訓練で、原発と原爆の被害の区別が曖昧な人が一定数いることを踏まえ、核利用の目的の違いを明確に伝える意図があった」とした上で、「写真の利用などが不適切で、広島や被爆者への配慮に欠けていた」と釈明した。

 広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長(76)は「戦争の悲惨さや平和の尊さを学んでほしい写真なのに、×を付けられた意味が分からず不快だ」と話した。

 (津留恒星)

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