女性差別の退職勧奨 ユニオンに救われ、10年後には率いる立場に

団交の鬼~ブラック企業との闘い⑪

 「ものすごい職業人。そんな印象でした」

 一人でも加入できる労働組合「連合福岡ユニオン」(福岡市)を現在引っ張る書記長の寺山早苗(55)は、「団交の鬼」志水輝美(70)=特別執行委員=と出会った当時を思い出す。2000年、それは自らが差別的扱いを受けた会社への団体交渉の場だった。

 大手企業の九州支店に勤めていた寺山は当時34歳。3歳年上の上司の部長から退職勧奨を受けた。

 「会社も新しい人を入れて新陳代謝を図る必要がある。その考えを想像し、自分と相談してください」

 職場には、女性が結婚を決めたら、暗に退社を強要されるようなハラスメント体質が根深く残っていた。会社の内部文書に、30歳以上の該当者を「女子高齢者」と侮辱する表現も見つけた。

 惨めな気持ちになったが、同じように退職勧奨を受けた仲間と手を携え、会社側に謝罪を求めていくことを決意した。その日からわずか4日後。知人を介し、連合福岡ユニオンの書記長だった志水と面談することになった。

 志水は理不尽なハラスメントについて、寺山たちの思いを真摯(しんし)に正確に書き取ろうとしてくれた。「全てを受け止めてもらえているようで、うれしかった」。寺山は振り返る。後日、その内容が会社側への要求事項として、理路整然と書面で仕上がっていたのを見て、さらに驚いた。

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