若者も症状悪化するデルタ株「福岡は今後2週間で9割に」

 新型コロナウイルスのインド由来の変異株「デルタ株」が九州でも猛威を振るっている。各県は感染者の一部にデルタ株感染の疑いを調べる抽出検査を実施しており、直近1週間の陽性率は九州で最も高い熊本が90%、次いで大分が75%。九州全体でも48%に上る。感染力の強さやワクチン接種が進んでいない若者の症状悪化が指摘されており、専門家は「流行の中心はデルタ株。予防法は変わらないので、夏休みも気を緩めずに徹底を」と呼び掛ける。

 「7月中旬にデルタ株の感染を初確認後、急速に広がっている」と危機感を示すのは熊本県の担当者。同県では21日から1週間の新規感染者数は167人。県外者と接触した人や感染経路不明者を中心に80人を抽出検査したところ、9割がデルタ株陽性だった。

 九州での初確認は5月下旬、海外滞在歴がある鹿児島の男性ら3人だった。その後、各県で相次いで確認された。佐賀県の担当者は「東京や福岡の人と接触があった人を中心に広がっている」と分析する。

 デルタ株の特徴は若い世代でも症状が悪化する点だ。入院して酸素投与が必要になる事例も増えている。大分県の担当者は「これまで50代以下は無症状が多かったが、今は熱やせきなど何らかの症状が出ている人が目立つ」と明かす。

 福岡県内の宿泊療養施設でも、症状がある人の大部分を30~40代が占めているという。診療に当たる横倉義典・県医師会理事は「ワクチン接種が進んで高齢者の感染が減ったことも大きいが、デルタ株の影響もあるだろう」とした。

 感染力の強さを指摘するのは国際医療福祉大の和田耕治教授(公衆衛生学)。デルタ株は飛沫(ひまつ)に含まれるウイルス量が従来より多いからだという。和田教授は「あと2週間ほどで福岡は9割がデルタ株の感染になる可能性がある」とした上で「普段会わない人には夏休みも会うのを我慢してほしい」と呼び掛ける。九州の流行は福岡で拡大した後、他県に広がる傾向があり「流行の中心である福岡で食い止めることがまずは大事」と強調した。

 (斉藤幸奈、下崎千加)

 

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