ワクチン未接種世代を襲う「第5波」 40~50代の重症者増加

 厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言する専門家組織は28日、会合を開き、東京の医療体制について「このままの状況が続けば、通常であれば助かる命も助からない状況になることも強く懸念される」との分析結果をまとめた。感染力の強いインド由来のデルタ株の影響で「これまでに経験したことがない感染拡大だ」と危機感を示した。

 厚労省が示した資料で中身を見ると、感染「第4波」までとは状況が異なる。東京ではワクチン接種が進んだ65歳以上の感染割合は低下する一方、20~40代の自宅療養者や入院者数が増えている。40~50代を中心に人工呼吸器を使用する重症者が増え、重症病床の使用率は52・8%(20日時点)に達する。一般の医療に支障が出るほど、医療提供体制が逼迫してきている。

 会合では九州7県も感染者は増加傾向にあると報告された。27日までの1週間の感染者数は、前週と比べて福岡2・20倍、熊本4・39倍、鹿児島2・24倍と、感染が急拡大した。福岡では直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者は約21人とステージ4相当に迫る。一方、福岡の病床使用率は12・8%(20日時点)、重症病床の使用率は4%(同)で、ともにステージ3(感染急増)の目安(20%)を下回った。

 ただ、今後は地方も病床が逼迫する恐れがある。宣言後に東京の主要繁華街で夜間の人出は減少しているが、前回の宣言と比べると減少ペースは鈍い。首都圏を中心に感染者数の増加が止まらなければ、地方でも急拡大する可能性が高い。

 座長の脇田隆字国立感染症研究所長は会合後、夏休みやお盆期間を控え、「(長期休暇時に)これまでも都市部からの人の動きがあり、感染拡大が始まった。地方でも感染状況を見極めて、基本的な対策を取る必要がある」と述べた。

(山下真、一ノ宮史成)

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