「7・23」を記憶に残す

 たぶん、私はこの日を「7・23」の記憶として生涯とどめていくのだろう。東京五輪の開会式は、テレビで最初の30分ほどしか見ていない。あとは締め切り時間まで、記者たちが送ってくる原稿の磨き上げに全集中していた。

 東京報道部の取材チームは、国立競技場周辺、渋谷の繁華街、八王子の病院、一般家庭と四つの場面をつなげたルポルタージュをつくった。あえて口にせずとも「『7・23』を、できるだけ淡々と記録する」が合言葉になっていたように思う。それぞれのパートに、首都の異なる空気のにおいを閉じ込めたつもりだ。

 ニュースサイト・アプリ「西日本新聞me」でぜひ、文章と一緒に味わっていただきたいのが、現場を克明に切り取った渾身(こんしん)の動画映像と、20枚近い写真データ。これらの記録が組み合わさり、その人だけの「7・23」の記憶を呼び起こす鍵の役目を少し果たせるとしたら、これに勝る喜びはない。

 (小野浩志)

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