「常連校じゃないチームで」広中が高校時代に見せた強さの原点

 2日に号砲が鳴る東京五輪陸上女子5000メートル決勝に、長崎商業高(長崎市)で活躍した広中璃梨佳(りりか)(20)=長崎県大村市出身=が出場する。高校生当時、スーパールーキーと注目された広中を取材して感じたのは、自身の決意を“有言実行”しようとする意思の強さだった。

 桜が原中(大村市)で本格的に陸上を始め、3年の全国都道府県対抗女子駅伝で区間賞。大きなストライドを武器に、長崎商入学後は国体少年女子1500メートルで3位に輝くなど、1年から活躍した。

 「まだ秘密にしてほしいんですが…」。高校1年の11月、同県雲仙市の小浜温泉の旅館ロビーで単独で話を聞いた。小浜では毎年、県高校駅伝が開かれ、この日は同じコースであった九州大会終了後だった。

 尋ねたのは「なぜ進学先に諫早高を選ばなかったのか」。約2週間前の県大会は諫早が22連覇を達成し長崎商は2位。この日も上回ることはできなかった。

 「常連校ではない高校のチームで全国大会を目指す方がやりがいが大きいと思ったから」。まだあどけなさが残る広中だったが、発する言葉には力強さを感じたのを覚えている。

 高校時代、都道府県対抗女子駅伝で区間新をマークするなど活躍したが、実は高校総体では3位以上がない。2年の東北での総体も3000メートルで7位。だがレース後、まだ息が整わない本人への取材で驚いたのは、その冷静な分析だった。後ろ向きな答えがなく「今後は周りの選手を気にしすぎず走る方がいい」などと常に経験を糧にしようと努めていた。

 3年の冬、自身最後の県高校駅伝で優勝し、諫早の24連覇を阻んだ。エース区間の1区(6キロ)を区間新で駆け抜け、2位の諫早につけた1分46秒のリードを仲間が守り抜いた。「一緒につらさを乗り越えた仲間を信じて走った」と振り返った。

 活躍の場はついに五輪決勝へ。7月30日の女子5000メートル予選は中盤すぎまで1位を維持する積極的な走りで自己ベストを更新した。テレビ越しでも見つけやすいトレードマークの帽子をかぶり、世界のトップアスリートに果敢に挑戦する姿を期待したい。

 (小川俊一)

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