「要塞」が浮き彫りにする分断

 なじみのある景色が改札を出た途端、一変していた。横浜スタジアム最寄りの関内駅を降りると、要塞(ようさい)のように塀がそびえ立っていた。空港の保安検査場のようなところで身体検査を済ませて中に入ると、知っているはずの球場までの経路が分からない。標識に従い歩みを進めると、塀に囲まれた交差点が動線の一部となっていた=写真。交通量も少なくない道路は、7月11日から通行止めが続いているという。

 「TOKYO 2020」の文字と五輪マークがいたるところにあしらわれるなど様変わりしたスタジアムには思わず見とれてしまった。だが、この姿を目の当たりにできる人は限られる。五輪に合わせ増設されたという両翼にせり出すウィング席に座る人がいるはずもない。そのさまが、世間を分断する高い壁のように感じられるのは皮肉なものだ。 (鎌田真一郎)

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