寄生虫の視点から文明批判へ 藤田紘一郎先生を悼む 平田オリザさん寄稿

 ダンディな方だった。お目にかかるときは、いつも三つ揃(ぞろ)えを着こなし、笑顔を絶やさず、若輩の私にも丁寧な言葉遣いで接してくださった。

 外見からは、この方が、十五年にわたり六代のサナダムシを自らの腸内に飼っていたとは誰も思うまい。

 一九九四年、藤田先生の最初のエッセイ集『笑うカイチュウ-寄生...

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