福岡の中等症、1週間で2倍「加速度的に病床埋まる恐れ」

 福岡県が5日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」適用からわずか3日で緊急事態宣言の要請にかじを切った。ワクチン効果で高齢者の感染が減って重症者は現時点で低く抑えられているものの、「デルタ株」の猛威で感染は急拡大。中等症の患者も急増しており、宣言発出で特に病床逼迫(ひっぱく)を食い止めたい考えだ。

 「感染の爆発的な拡大を示している」。服部誠太郎知事は5日の記者会見で強い危機感をあらわにした。

 県内ではデルタ株の割合が5割を超えた7月下旬から、感染速度が急速に速まっている。人口10万人当たりの新規感染者数を直近1週間の合計で見ると、今回の「第5波」では国の判断指標で最も深刻な「ステージ4」の基準である25人に達してからわずか7日間で65人に達した。4~5月の「第4波」では3倍弱の19日間かかっていた。

 高齢者のワクチン接種が進んで重症患者は10人前後で推移しているが、入院者数はこの1週間で倍増。酸素吸入が必要になることもある中等症の患者は4日時点で184人に上り、1週間で約2倍に増えた。

 服部知事は「病床が加速度的に埋まる恐れがある」と述べ、4日現在で33・6%の病床使用率は9日にもステージ4の基準の50%を超える見通しを示した。

 「デルタ株」が主流となり、感染の広がり方も変容している。飲食の場にとどまらず、職場や学校でもクラスター(感染者集団)がが発生。「感染対策や緊張感をもう一段高めることが不可欠」(県幹部)で、宣言要請は県民の危機意識を醸成する「アナウンス効果」も狙う。

 服部知事は「まさに正念場」と強調し、こう呼び掛けた。「家族や友人など大切な人を守るために慎重かつ責任ある行動を取ってほしい」

(華山哲幸)

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