世界文学の系譜で「路地」描く 中上健次『枯木灘』

酒井信さん寄稿

 和歌山県新宮市の「路地」を舞台にして、中上健次の分身とも言える秋幸が、暴力と性的な欲望を内に抱えながら、血縁と向き合う姿を描いた「紀州熊野サーガ」の代表作である。ウィリアム・フォークナーを彷彿(ほうふつ)とさせる社会の「周縁=路地」に根差した文学的な描写が、この作品で確立され、中上健次の持ち味とな...

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