ありがとう かしいかえん 森口博子さんがおわかれの歌

 12月30日に閉園する福岡市東区の遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」への惜別の歌をつくった人がいる。幼少期から家族で親しみ、ステージショーに立った経験もある同市出身の歌手森口博子さん。新曲「陽だまりのある場所」で、市民に長く親しまれてきた憩いの地に「ありがとう さようなら」と歌っている。

 そんな歌い出しで始まる「陽だまり-」は、かしいかえんをイメージして森口さんが作詞した。休日に家族とよく訪れ、「季節の花々がきれいで、行く日が待ち遠しかった」と振り返る。2歳の頃、観覧車の前で母と3人の姉と撮った写真は大切な宝物だ。メリーゴーラウンド、ゴーカート、ジェットコースター…。好きな遊具は成長とともに変わった。

 デビュー直後の1986年には、人気絶頂の中森明菜さんと同じステージに立った。会場いっぱいの盛大な拍手が今も忘れられないという。

 西日本鉄道(福岡市)は今春、かしいかえんの年末での閉園を発表した。コロナ禍が、店や施設など人々の思い出の場所を次々と奪っていく。「日常が奪われるやるせなさは消えません。それでも夢や希望はなくしちゃいけない。そんな思いも歌詞に込めました」。レコーディング作業中には、いろんな思いがこみ上げて号泣した。

 4月。仕事で帰省した森口さんは、子どもの頃と同じように観覧車前で母と姉の5人で写真を撮った。

 「陽だまりのある場所は思い出の場所、大切な場所のこと。みなさんにも、かしいかえんのような場所があるはず。たとえ施設が失われても、『陽だまり』は心の中にずっと息づいていてほしいと願います」

 「陽だまり-」(作曲・神前暁(こうさきさとる))は最新アルバム「蒼い生命」に収録されている。

 (塩田芳久)

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